花の仕事だけで生活できるほど儲かるのか? 花屋・園芸店は? 花の先生やフラワーコーデしネーターは?
花の仕事は儲かるのか、儲からないのか、生業にできる儲けがあるのか
花で生計を立てられる仕事って、何?
当サイトと、グループサイトの「花の資格 情報局」のアクセスを見ますと、「花の資格をとり、花を仕事としよう」と考えている人はかなりいるようです。
しかし、当サイトでたびたび言及しているように、管理人自身は、花を仕事とすることを特に推奨していません。むしろ、
「苦労のわりに実入りが少ない仕事ですよ」
ということを言い続けてきました。これが、リアルで誠実な意見だと私は思っています。
ならば、限りなくリアルに、
「どの花の仕事なら生業にできるのか、食べて行けるのか」
というところを追求してみようかと思います。
この記事に書いてあることは、すべて「一般的には」という前置きが付いていると思ってください。
この記事でいう、「この仕事では食べていけない」は、「一般的には、この仕事で食べていける人はほぼいない」という意味です。
ということはつまり、腕や才覚や、運が「一般的」を超えるなら、「食べていけない」と書いてある仕事でも生計を立てられるかもしれないということです。サイトのゲスト様たちが「一般的を超える人」かどうか、当サイトは感知しません。なので、あくまでもリアルに、一般的なことを書かせていただきます。
目次 花の仕事は儲かるのか、儲からないのか、生業にできる儲けがあるのか
1.花屋・園芸店の経営は儲かる? 生業にできる?
2.花屋の正社員で生きていける?
3.花屋アルバイトで生きていける? 儲かる?
4.花の先生は儲かる? 生業にできる?
5.ガーデナーは生業にできる? 儲かる?
6.フラワーコーディネーターは生業にできる? 儲かる?
6.管理人の場合:「各種混合型」
花屋・園芸店の経営は儲かる? 生業にできる?
うまく経営していくことがでいれば、生業にできます。実際に、町の花屋さんたちが普通に生活しています。これから開業しようと思われるなら、当サイトの中ではこのような記事をご参考に→花屋開業のための情報を集めてみました
上に「生きていけます」と書きましたが、「誰でも簡単にやっていけます」という意味ではありません。うまく経営すればできる、ということです。
実際につぶれる花屋も多く、管理人自身、自己破産した花屋さんも知っています。
儲かるか、儲からないかという話になると、ほかの業界でもそうだと思いますが、経営が苦しい店もあるし、儲かっている店もある、という具合です。
花屋の正社員で生きていける?
大企業の領域に入るような花屋(たとえば、第一園芸や、日比谷花壇などの大手花屋)であれば、正社員で十分生活できるはずです。
町の花屋さんで、一応会社組織になっているという店だと、少し不安要素もあるかもしれません。
町の花屋さんの正社員として、それだけを収入源として生活していこうと思うなら、一度経営者と、報酬について真面目な会談を持ったほうがいいかもしれません。
若いうちは、安い給料でもなんとかやっていけても、結婚して家族を養う必要でも出てくると、
「正社員という身分があっても、この店ではダメだ」
ということもあるでしょう。
花屋正社員の給料は、一般的な会社員の給料の中では安い方だと理解しましょう。(ただし、本当に儲かっている店では、その限りではありません)
花屋アルバイトで生きていける? 儲かる?
完全なアルバイトの身分だと、生計を立てるのは難しいと思います。副業も何も無く、誰かの扶養にも入らず、花屋アルバイトの給料だけで人生の必要経費をまかなうのは困難です。
花屋のアルバイトで、儲けられることが無いとは言いません。実際に、夜勤や長時間シフトや売り上げに貢献した手当金を積み上げて、一般的な会社員の給料よりも月収が多い人も見たことがあります(それを長年にわたって続けた人は見たことがありませんが)。
現状で、「生活するのに十分で、全く満足している」と思うアルバイト収入がある人でも、将来のことを思えば、何らかの「もう少したしかな収入源」について考えることをお勧めします。
花の先生は儲かる? 生業にできる?
花の先生業で生計を立てられる人はわずかです。
「花の技術指導で収入がある」という人は、決して珍しくないのですが、その人たちの中のほんの一握りしか、生計を立てるに足る収入がある人はいないでしょう。
すごく具体的に言うと、月の収入が4~5桁くらいの人が無数に居るが、6桁に届く人は非常に少ない、というくらいが実情ではないかと思います。
(花の先生の収入については、こちらに詳しいコラムがあります→お花の先生の収入を試算してみる)
ガーデナーは生業にできる? 儲かる?
園芸店・造園会社・植物園・園芸資材会社・ガーデニング関連の出版社・種苗会社などに、正社員として勤めるのが一番手堅いでしょう。これなら、ガーデニング関係で、十分に生活を立てていけます(あまりに小さな園芸店は、手堅いとは言いにくいですが)。
フリーのガーデニングアドバイザーのような仕事は、現状ではとても少なく、生計を立てられるレベルにするには、業界有名人くらいにはならないと不可能だと思います。むしろ、ライター業の方が、まだしも可能性があるでしょう。
フラワーコーディネーターは生業にできる? 儲かる?
花をコーディネートすることで生計を立てるには、しっかりした法人に所属しないと危ういところだと思います。
結婚式場や、ホテルの花屋の装花部署、葬儀業者と提携した花屋など、フラワーコーディネーターの仕事がある職場を探し、できれば固定給で雇ってもらえるところに勤めるといいです。
固定給を確約しない場合、
「アルバイトの身分で、時給1000円、月一回5時間程度呼ばれる」
というような稼動状況もあり得るからです。その稼ぎでは、複数箇所と契約しないと生活できません。
全くのフリーで、一つ一つ仕事を取ってやっていくのであれば、よほど腕がよく、営業手腕もよく、充実した人脈がないと、非常に難しいです。
管理人の場合:「各種混合型」
管理人自身は、現在はなんとか花で生活しています。私の場合、ほぼフリーで、花の講師業・助手業・花屋業務・生けこみ職人を兼業しています。いけばなだけで生計を立てられれば、私としては一番嬉しいのですが、私の力では、いけばな家のみでは生きてこられませんでした。
花で生活しようとし始めた最初の10数年は、花以外のアルバイトもしないと生きられませんでした。花以外の稼ぎの方が収入としては主だった時代もあり、やっと花だけに専業になったと思ったらまた他業のアルバイトをしなければならなくなったこともありました。しかし、無所属の職人として花で生きられるようになった私は、これでも運がよい方なのです。
この記事を書いている時点では、私は花の収入だけで生きていますが、来年も、再来年もそうだとは、自信を持って言うことができません。これは、フリーの花職人の、とてもリアルな言葉と思ってください。