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花屋開業のための情報を集めてみました


花屋開業のための情報を集めてみました

最初にお断りしておきますが、管理人は花屋を開業したことはありません。また、花屋開業のために、専門家に相談したことなどもありません。
私が、開業にもっとも近づいたのは、まだ30代だったころに、
「店をたたむので、居ぬきで花屋をやる気は無いか
と言われたときでした。
このときは、私としては本気で考えたのですが、いくら借金しなければならないかを試算したときに、現実的ではないと判断して見送ってしまいました。この選択は、妥当な判断だったと思っています。
元々、私は花の技術者として生きていきたいと思っていた人間で、「花屋を開業すること」自体は自分の夢ではありません。
なので、もしも「花屋を開業すること」が、私の人生の夢だったとしたら、大きな借金をしてでも花屋になるという選択をしたかもしれません。

このように、私には、花屋開業について考えた時期があります。また、花屋の経営者が何人も身近にいるために、私には少しですが「花屋開業についての見聞」があります。そして、この業界に居て、「開業するときには〇〇だ」という話を長年聞いてきて知っていることや、開業したのに短い期間で店をたたんでしまった人を何人か見たことで、個人的に思っていることなどもあります。

そのような、私が持っている範囲の花屋開業のための知識を、この記事にまとめておきます。
「花屋開業について、およそでいいのでどういうことなのか知りたい」と思っている方は、参考になさってください。

すでに、現実的に花屋開業に向かって動き出している方には、すべて当然知っている知識かと思われます。
もしも、現実的に花屋開業へ動き出しているというのに、この記事の中に未知のものがある方は、もっとリサーチに努めるべきと思ってください。

 

個人経営店・個人事業主とはどういうことなのか、少しは知っておかなければならない

「花屋」に限定せず、「個人経営店」「個人事業主」というものについての知識を持っておきましょう。
家族の中に商売をしている人がいると、この点はかなり自然に「肌で知る」ことができたりします。商売している家族に、色々質問したり、別ジャンルの店であっても、店頭で接客のバイトさせてもらったり、店がしまった後に店主は何をしているのかなどを身近で見せてもらい、個人経営のなんたるかを、少しでも感じ取っておいてください。

勤め人一家に育ってしまった人(私もそうです)など、身近に個人経営者のサンプルが無い人は、個人事業主に関連する書籍 など読んでみてください。もしも、自分は個人事業主関連の知識が全くない、と思うなら、複数の書籍を読むことをお勧めします。


花屋業務は経験しておくべき

アルバイトでも良いので、花屋業務は必ず経験しておきましょう。
花屋養成スクールに通って花屋さんになろうとする人も、独自に花屋で働いた経験を持っておいたほうが良いです(スクールに、花屋の現場を経験できるようなカリキュラムがあるとは思いますが)。

花屋で修行するときには、できるかぎりその店のノウハウを吸収しましょう。新入りアルバイトに教えてもらえることには限りがあるものですが、それでも、可能な限り色々な知識を盗みましょう。

シゴトinバイト:花屋 アルバイト
はたらいく 花屋 アルバイト
バイトEX 花屋アルバイト
マッハバイト 花屋


花屋養成スクールに行くなら……

花屋開業のためには、花屋養成スクールに行くことは必須ではありませんが、もし行くなら、すべての仕事の基礎をきっちり身に着けるべきです。また、可能であれば、スクールに行きながら花屋でアルバイトすると良いと思います(「学び」と「実践」は、必ずしもかみ合わないので、知識や考え方が混乱する場合もあるのですが……)。スクールよりも、花屋でアルバイトするほうが、もしかすると得られるものは大きいかもしれません。

スクールに、開業のバックアップをしてくれるシステムがあったら、何をどこまで支援してくれるのか確認し、自分に有益と思うものは活用しましょう。また、実際にスクールのバックアップで開業した人がいると思いますので、その人たちが現在どのように店を経営しているのかをリサーチしてみるのも良いと思います。

【参考】スタディサプリ 進路花屋店員・店長


自分の店について、最低限このくらいは考えておこう

実際には開業しなかった私でも、「少なくともこれくらいは必要」と思える、事前に考えておくべき項目を挙げてみます。

◆店の立地(駅からの距離、アクセス、周辺環境、通行量、店舗の規模、競合店)……競合店には一度入ってみたら良いと思います
◆販売の方針・特色(ターゲットは誰か? 主力商品は? 値段帯は? 固定客をどう確保する?)
◆一日の収入・集客のシミュレーション
◆一年を通じての収入・集客のシミュレーション
◆必要設備
◆返済計画


フランチャイズ加盟はどうする?

チェーン店展開している花屋の加盟店になって営業していく道もあります。
フランチャイズ加盟は、メリットだけではないので、加盟するなら慎重に検討してください。

メリットは、大元の会社のブランドイメージに頼れる、本部から指導してもらえる、仕入れ確保してもらえる場合がある、などです。

もちろんデメリットもあります。加盟店を脱退した人がほぼ全員言うデメリットは、ロイヤリティの支払いが大きすぎる、店に自分の独自色を出せない、ということです。

開業時の滑り出しだけフランチャイズ加盟して、ある程度安定したら脱退し、自分の好きなように切り回していく……ということも可能ではありますが、契約によっては、脱退すると高額な解除料を払わねばならないこともあるそうです。将来的に後悔しない決断をする必要があります。

【参考】フランチャイズの窓口


共同経営は、私はお勧めしません

仲の良い友達どうし、同じ夢を持った仲間どうしが出資して、一緒に店を持つ……とてもステキな気がします。ステキに感じるので、フィクションの世界では、こういうお店がよく登場します。
しかし、私は個人的にはお勧めしません。共同経営で、もめなかった例を知らないからです。
もちろん、世間にはうまくやっている人たちもいるのでしょうが、それでも、揉める確率のほうが圧倒的に高いと思います。

こんなに仲の良い二人だから……この人と一緒に達成してこそ嬉しい夢だから……と思っても、経営的数字の話になると、儲ければ儲けたで、儲からなければ儲からないで揉めはじめるのです。そして、他人から見て、かなり残念な感じで袂を分かっていきます。
実例を見てしまうと、到底お勧めすることはできません。


お金は、やはり必要

開業するにあたっては、やはりお金は必要です。どのくらい必要かというと、一般的に花屋を開くには、400万~1000万円必要、と言われているそうです。
私には、店の立地・広さ・その他条件によっては、400万円より少なくても可能なことはあるだろうと思えるのですが、それは「うまく安く済めば」であって、あくまでも一般的に言うと、400万円~だと思っておくべきなのでしょう。

いずれにしろ、自己資金ゼロでは無理です。では借りればいいだろうと思っても、資金ゼロの人には融資もしてもらえません。

仮に、400万円必要だとすると、少なくとも150万円くらいは自己資金で用意しなくてはならないと思います。(つまり、残り250万円を借りられなければ開業できない、という計算になります)


融資はどこから受けられるのか

事業資金の融資は、下記のようなところから受けられます。

【1】日本政策金融公庫
【2】地方自治体の制度融資(その他、補助金・助成金なども活用できる場合アリ)
【3】銀行
【4】信用金庫
【5】ビジネスローン会社

融資には、担保が必要なものも、無担保でよいものもあります。
上記リストの中で、一番現実的なものは、やはり【1】と【2】でしょう。自分はどんな融資を受けるのがふさわしいのか、地元の商工会議所に相談してみても良いと思います。商工会議所は、場所によって対応が異なるようですが、かなり親身になってくれるところもあるようです。
また、有料のコンサルタントを頼んで相談することもできます。

銀行と信金の審査を突破するのは、かなり難しいこともあります(各人の状況により、難しさは異なります)。
それに比べると、日本政策金融公庫は、審査も緩やかで金利も安いです。日本政策金融公庫には、様々な融資があります(参考:日本政策金融公庫 融資一覧)。

融資が降りるのは、大体審査後2~3ヵ月後くらいになります。日本政策金融公庫なら、1ヶ月くらいで降りるようです。このくらいの時間がかかることを計算に入れて動き出しましょう。


融資を受けるには、審査が必要

公的な融資でも、金融機関の融資でも、審査を突破する必要があります。

審査らしい審査もなしに、速やかにお金を貸してくれる業者も世の中にはありますが、そのような業者は、金利が高いはずです。借りるのであれば、のちの後悔につながるような融資元でないかどうかよく考えてください。

一般的な融資元は、事業計画書の提出と、面接による審査が必要になります。キャッシング感覚で借りることはできません。
また、借りたお金の返済は、絶対に滞らせてはダメです。必ず支払って、融資側から「優良」の評価を得ると、後々融資が必要になったときに受けやすくなります。


事業計画書をきちんと書けない人は、お金を貸してもらえない

事業計画書は、書くのに労力が要る書類です。しかし、これを書く「整理された思考・現状の把握力・熱意」が無い人は、融資をしてもらえないと思ってください。
事業計画書を書くには、漠然と抱いている「私の店」のイメージを、文字化・数字化させる努力をしなければなりません。

事業計画書は、

◆何をそろえるために、いくらかかるのか
◆どのような事業を展開していくのか
◆日々いくらのお金が出て行き、いくら回収できるのか
◆商売を、どのように軌道に乗せていくのか
◆返済計画をどのように考えているか

↑などの事柄を、限りなく現実的に追求して作成します。融資元の指定書式があればそれを使い、そうでなければ自分で表計算ソフトなどを使って作成します。
事業計画は、詳しければ詳しいほどよく、つけられる資料は全部つけましょう。

作成する上で重要なのは、

◆全体を貫く一貫性があり、矛盾が無いこと
◆お金の動きを具体的に書く
◆販売ターゲットを具体的に書く
◆書類内の数字は、すべて根拠を示せるくらいの精度にしておく
◆リスクから目を背けないで書く
◆受けた融資の使い道と、返し方を明確に書く

などのことです。
上記のようなことを踏まえて、具体的かつ現実的なキャッシュフローなど書き込んでいくのは面倒な仕事ですが、融資元の鋭い審査に対応するには、どうしても書かなければなりません。
融資側は、
「本当に返済できるのか? 不安要素は無いのか?」
と思って審査するので、適当にごまかせると思ってはいけません。
相手は厳しいうえに経験値豊富です。初めて開業しようとする人は、何もかも手探りですが、審査側は、何件もの個人事業主と、毎日のように渡り合っているのです。矛盾や、甘い考えが書類に表れていたら、その部分を見逃してはもらえないと思いましょう。

厳しく言われても最後には貸してくれるんだろう、などと思ってはいけません。「今回のご融資は残念ながら」と言われるのは、珍しいことではありません。

審査を通りやすい事業計画書を書くために、有料のコンサルタントに相談する人もいます。コンサルタントが事業計画書を書いてくれるサービスもあります。専門家に書類を作らせたら、万単位のお金がかかると思いますが、それでもいいと思う方は、コンサル導入を検討してみましょう。

自力でよい事業計画書を書くなら、まずはぐぐってみる→事業計画書 書き方
書籍を参考にする→書籍「事業計画書 書き方」
有料・無料のセミナーを探してみる
商工会議所で、書き方の相談をしてみる、
等々、情報収集しましょう。


事業計画書が不要な人も……

親や親戚から融資を受けられる方、自己資金ですべてをまかなえる方など、特に融資の審査を受けることが無い人もいるかと思います。
そういう人も、綿密な事業計画を、一度書いてみたらいいのではないでしょうか。漠然と抱いている夢のようなものや、多分うまくいくだろうという希望的観測だけで、走り出してしまうのは危険です。
胸の中にある「こんな店にしたい」というイメージを、文字と数字に起こしてみるのは、無駄ではないと思います。


開業時に必要な経費は……

今、私が思いつく順番で、開業時に必要と思われる費用を書き出してみます。

◆店舗取得費用(家賃、保証金、不動産取得費用etc)
◆内装工事費
◆車両購入費用
◆設備費(空調、什器、電話・FAX、PC)
◆資材(備品、消耗品)
◆人件費
◆仕入れ費用
◆光熱費

これらは、最低限私が思いついたものです。ほかにも色々あるはずです。


キーパーは必須アイテムではない

キーパーとは、花屋さんにある冷蔵ショーケースのことです。キーパーの有る店だけ経験した人は、キーパー無しなど考えられないと言うかも知れません。
ところが、キーパー無しの花屋というものは、思いのほかたくさんあります。私が最初に修行した花屋は、「キーパーは使わない」というポリシーを持った店でした。

キーパー無しの花屋は、ほとんどが「無くてできる状況にあるので、持つ理由が無い」という考え方です。お金がなくて買えない、というだけの理由でそうしている店は無いと思いますし、そうすることはお勧めしません。
ただし、「買うお金が無いなので、キーパー不要の道を戦略的に考えて実践する」のであれば問題ないです。

ちなみに、キーパーで使わないことで最も有名な店は、青山フラワーマーケットです。


花屋の備品には、こんなものがある

私が今思いつく範囲で、「必須最低限必要」と思える花屋の備品を挙げてみます。(消耗品は含んでいません)

◆バケツ・花バケツ
◆如雨露・水差し
◆霧吹き
◆カードスティック(花の名前や値段を書いて挿すもの)
◆リボンラック
◆セロハン台
◆カッター
◆ハサミ・花鋏
◆ペンチ
◆錐・目打ち
◆机・作業台
◆椅子
◆レジ
◆電話・FAX
◆PC
◆陳列スタンド
◆箒・ちりとり

なるべくお金をかけずにそろえようと思うなら、陳列スタンドを手作りしたり、物置で埃をかぶっている家具を作業机にするなどの工夫をすると良いです。


利益計画は、都合の良いように飾らない

利益計画は、売上高や将来的な目標利益の設定ですが、現実性・具体性を追求して作りましょう。
高い目標を掲げるのは良いことですし、低い利益目標を掲げてどうする、とも言えますが、現実から遊離している利益計画は、やはり良いとは言えません。特に、融資元を納得させるために書く利益計画ならば、「もっとも調子よくいった場合のことのみ」を書くのは不誠実です。
具体的な数字を書き出し、紙の上でできる一番リアルなシミュレーションをしてみましょう。


開業時の手続き的なもの

花屋を開業するのに、特別な許認可申請も、資格取得も必要ありません。
個人商店の場合、開業届けを税務署に出して、市場で仕入れた花を店に並べれば、すぐにでも花屋になれます。市場に入るのに、買出し人証を取得する必要がありますが、それは難しいことではありません。

※管理人は法人を立ち上げる場合の知識は持っておりません。申し訳ありません




現実を知ること!

店頭販売の収入が、一日にどれくらあると予想していますか? その予想は、根拠の無い希望的観測ではないですか?
参考までに、私が経験した、一日の売り上げの最低金額を書きますと、
「東京の某市、駅近くの花屋(駅の、賑わってない側でした)で、一日の売り上げ500円 客数1人」
です。曜日や天気は覚えてませんが、特別な日ではなかったと思います。ちなみに、店の売り上げ目標は、1日5万円でした。

二番目に低かった金額は、
「千葉市のはずれの住宅地、比較的花屋の激戦区で、一日の売り上げ700円(仏束1つ) 客数1人」
です。ごく普通の月曜日でした。大量の水揚げに夢中になっていて、夕方に水揚げが終了したときに、朝からお客が一人しか来ていないことに気づきました。

このような日は、現実にあります。そして、このような、
「驚くほど売り上げが少ない日」
と、
「驚くほど売り上げが高かった日」
では、前者のほうが多く巡ってくると思います。

新規開店の店などは、最初の数日間、4桁の売り上げや3桁の売り上げも大いにあり得ると思ってください。


「甘い考え」を持っていないか自問してみよう

下のようなことを言う花屋さん志望者が、たまにいます。(たまに、より多いかもしれません)

「フラワー教室に通い、こつこつと勉強を積み重ねてきた。かなり上の資格を持っていて、とてもセンスがいいという評価を受けている。花が好きなので、仕事はキツくても頑張っていけると思う。ガッツだけは、人に負けない……」

まず、フラワー教室と花屋の現場は、全然違うものだと分かって言っているのかが問題です。分かっているならいいのですが、わからずに言っているなら、これは甘い考えの可能性が高いです。
フラワー教室の「センスがいい」は、「売れる商品が作れる」とは違うこともあります(違わないこともあるので、ここがややこしいところ)。お客さんに、そのセンスを受け入れてもらえるかどうかは分かりません。
このタイプの人で一番キケンなのは、フラワー教室の知識だけで戦っていけると思っている人です。花屋業界では、「フラワー教室に通った人」に、全然重きをおいていません。その経歴だけでは、アルバイトの採用でさえ、あまり有利にはならないのです。本当に、そんな小さな武器で戦っていけると思っているなら、開業してから認識不足を思い知ることになるでしょう。(思い知ってからが本当の戦いですよ。ガッツがあるなら負けないで!)

また、私はこのサイトのゲスト様から、

「どんな花屋を開けば成功すると思いますか。私は失敗したくないです」
「花屋を持って生きていきたい。一番の早道を教えて」

↑このような主旨の問い合わせメールをいただくことがあります。そのたびに、自分の思うところを文にして返信しますが、文脈などから、かなり安易な思考をお持ちなのではないかと疑うことがあります。
この重い問題を、見知らぬ個人サイトの管理人に、手軽に解決させようとしているのであれば、それは相当に甘い考えだと思います。
開業・経営に関して、甘い考えを持っていると、後悔する結果に行きつくこともあると考えて、自分の思考を今一度チェックしてみてください。

私が直に見聞きした、店を閉めた人たちのデータ もご参考に

 

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