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私の見た実例……閉店する・廃業する・倒産する・潰れる花屋のデータ


私の見た実例……閉店する・廃業する・倒産する・潰れる花屋のデータ

私が実際に見た「花屋を閉めた人たち」のデータです

私は、長年花屋のアルバイト・花屋の下請けをしてきました。そのために、付き合いのあった店の閉店を目の当たりにすることが何度かありました。
幸いにも、バイトとして雇われている最中に、店が閉店に向かいだしたことはまだありません。

閉店、廃業と言うと、「潰れたんだな」と思う人が多いと思いますが、私の見た例は、必ずしもそうではありませんでした。しかし、閉店理由の割合で言うと、ネガティブな理由のほうが、やや多かったように思います。

この記事は、閉店した店のリアルなデータ(「管理人が直接知る範囲=狭い範囲」のデータではあります)を挙げることを目的とし、それ以上のメッセージはありません。つまり、「こうならないように気をつけましょう」という記事ではありません。
 それでも、花屋で独立したいと思っている人や、花屋に深くかかわって生きていこうと思っている人には、有益なデータになるものがあると思います。
(これから花屋を開業しようと思っている人は、この記事を読んで萎縮する必要はありません。ただ、賢く参考になさってください)

 

管理人がリアルに見た「閉店」は、8店舗(内、ネットショップ1)

私は、30年ほど、花屋にかかわる仕事をしてきました。花屋経営者、花屋アルバイトの知り合いも多いです。
そのような人間が、30年のうちに閉店を目の当たりにした店は、8店舗あります。そのうち1軒はネットショップでした。

この数字は、個人が直接見た閉店の数としては、多い方かもしれません。私は、一軒の花屋の専属になるよりも、複数の花屋に出入りする仕事が多かったので、人より多く「閉店」にめぐり合う率が高いのかもしれません。


8軒の閉店理由は?

私が見た8軒の閉店理由を箇条書きにしてみますと、下のようになります。

◆店主の病気療養のため
◆借金がかさんだため
◆駅前開発により立ち退きのため
◆高齢のため(2軒)
◆借金経営に陥りそうになったため
◆商売換え
◆店主が亡くなり、家族が継いだがキビシイ業務に耐えられなかったため

この8軒の中で、店を復活させた例は今のところありません。


自宅か、貸し店舗か

8軒の例のうち、自宅で開業していたのは2軒(2軒とも高齢で閉めた店です)、店舗を借りて営業していたのは5軒です。ネットショップのみで、店舗を持たなかった店が一軒含まれますので、この数字になります。

貸し店舗で営業していた店のうち、私の推測で「家賃がかからなければ閉店しなかったのでは?」と思われる店は、2軒あります。


人件費はかかる店だったか?

8軒の中で、アルバイトを使っていた店は5軒です。
人件費がかからなければ、経営は相当楽になったかもしれませんが、多分5軒とも、アルバイト入れないと回らない店だったと思います。


儲かっているのに、閉店した店はある?

二軒あります。「高齢で閉めた」店です。


店の評判はどうだった?

評判がどうだったということは、判断が難しいところですが、明確に近隣から「良い店だ」という評価を受けていたところが、7軒の中に3軒ありました。
「病気療養」で閉めた店と、「高齢」が理由で閉めた店(2軒とも)です。つまり、この3店舗は、元気で働ける人間がいれば、閉める理由は無かったのです。


管理人は、「閉店」と聞いて驚いた?

実を言えば、私はどの店の閉店も驚きませんでした。それは、8軒が危ない要素のある店だったからではありません。どこの、どんな店であれ、先がどうなるのかは分かりません。これから先も、ずっと存在し続けるだろうと思える店など、無いに等しいです


借金はあったのだろうか?

借金していたかどうかは、外部の人間にはなかなか分かりませんが……確実に「あそこの店は、あった」と言えるところが、2軒あります。
でも、個人商店主に借金があるのは珍しくありませんので、2軒以外の店にも、あった可能性は高いと思います。

(借金していた店のうちの一つは、自己破産に追い込まれました。もう一つの店は、店主のケータイに、「絶対に借金取りだ」と分かる電話がかかってきていました)


何年で閉店している?

8軒のうちの5軒が、十年以上営業しています。一番長く営業した店は、50年超でした。

残りの3軒は、全部3年以内でした。一番短かった店は、1年強くらいです。


生粋の花屋さんだった?

8軒の店主のうち、「生粋の、たたき上げの花屋だ」と言えるのは3人です。
ほかの店主は、別業種の経営を経験したり、最初からネットショップだけで、店頭業務を経験していない人たちです。

「生粋の花屋」の3人は、「病気療養」「高齢(二人とも)」が理由だった3人です。なんとなく、傾向めいたものが見えます。


創業者だった?

8人の店主のうち、自身で開業したと私が知っているのは、6人です。(あとの二人は、自身で開業したのか、親の店を継いだのか分かりません)


ネットショップは持っていた?

8軒のうち2軒がネットショップを持っていました。うち一軒が、ネット専門店でした。
どちらの店も、ネット花屋はあまり儲からなかったと言っていました(店主が言うには、ですが)。
ただし、2軒とも、廃業したのは20年ほども前なので、現在とネットショップの事情が少し異なるかもしれません。


周辺状況の変化は、「閉店」に関係あったか?

駅前開発で立ち退きになった店以外は、周辺状況に左右されての閉店には見えませんでした(少なくとも、外部の人間にそうは見えませんでした)。

立ち退きになった店は、高額の補償金をもらったと噂で聞いたので、多分、喜んで閉めたのだろうと思います。その店の店主は、現在は別の場所で、別ジャンルのお店を開いています。


閉店して、「良かった」と思っているのだろうか?

閉店自体は誰にとっても嬉しくないことでしょうが、それぞれの店主の顔色を見ると、それなりに「あのとき閉めたのは妥当だった」と思っている人のほうが多いように、私には見えます。(他人の前で虚勢を張ってるということも、少しはあるかもしれません)
「借金経営に陥りそうだ」と言って閉めた人でさえ、「色々な経験ができて良かった」と言っています。


開業を後悔している人はいないか?

私がリアルに見た「閉店した店」では、経営に失敗した人であっても、開業そのものを後悔している人は不思議と居ません。花屋など始めなければ良かった、と言った人はいないのです。
ただし、何かしらの後悔は誰にでもあるようです。

「あんなところから借金さえしなければ」
「もっと自己資金貯めればよかった」
「場所が悪かった」
「守備範囲が狭すぎた」
「自分の代わりになれる人を育てればよかった」

花屋開業のことを、限定して後悔した人はいませんが、「経営に向いていないのかな」と言った人はいます。「自分で経営するより、雇われ店長のほうがずっといい」と言った人もいました。

これから先、町の花屋は、今よりも厳しい冬の時代を迎えるかもしれません。いろんな意味で、タフな人だけが生き残っていくのでしょう。

 

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