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花屋さんの面接で聞かれることは? 服装は?


花屋さんの面接

花屋さんの採用面接はこのように行われます。

私は今までに、複数の花屋の面接を受けていますが(いずれも、アルバイト募集)、どの店舗も、それほど大きな違いはありませんでした。私の経験データで、花屋さんの面接はどのように行われるのかを紹介したいと思います。
花屋の店員の採用で、面接しないで合否を決める店は、基本的にはありません。面接のシュミレーションにこの記事の情報を役立ててもらえれば幸いです。

※関連記事……面接会話の例をこちらの記事でアップしています→管理人が受けた面接を再現してみます

 

花屋さんの面接はどこで行われるのか?

すでに店舗がある花屋は、店の隅や、奥の別部屋で面接することが多いです。2~3分くらいの短い面接で済ませる花屋は、店の隅で立ったまますることもあります。

新規開店のメンバー集めなどで、まだ店が工事中で入れないような場合は、近所の喫茶店に行くようなこともあります。すでに店舗がある花屋でも、極端に狭い店など店内で面接などできないような状況がある場合は、どこか店外で行われることがあります。


花屋の面接を受けるときの服装は?

アルバイト、パートなら……

事務採用でない限り、リクルートスーツである必要などはありません。
私の場合、一応「きちんとした会見なのだ」という観点から、ジーパンは自主的に遠慮しています。そして、真夏以外なら、少しはきちんと見える上着を着ていくことを考えます。足元は、サンダル・スニーカー以外にしています。

ですが、考え方は人それぞれです。働ける格好で出かけ、
「このままお店で閉店まで働くつもりで来ました。実際の技術を見てください。もちろんタダで働きます」
という申し出をしてみるのも有効かもしれません。これは、個人の考え方で良いと思います。

(私はできないのでやりませんが、場所にあわせて戦略的なファッションができる人は、店のテイストにマッチした服装で行くのも良いと思います。店にも、「クールでかっこいい系」や、「ナチュラルなカントリー調」など、それぞれのカラーがあります)

正社員なら……

正社員は、やはりスーツがいいと思います。一般的な「面接時の服装」の情報を探してください。(私は正社員の面接を受けたことが無いので、解説する資格がありません)


誰と面接する?

一般的には、経営者・店長・店長格のベテラン、といった人が面接します。一対一の場合も、店の人複数対求職者一人、の場合もあります。
店側の人間は、店の仕事をその時だけ抜けて面接に対応していることがほとんどなので、あまりきれいな格好をしていないことが多々あります。

変わったところでは、私が受けた某有名花屋の面接では、スーツのビジネスマンが机の向こうに5~6人並んでおられたことがあります。アルバイトやパートでも、大企業だと正社員の面接並みの環境で迎られることもあると想定し、「採用面接の常識」程度は身に着けて受けましょう。


花屋の面接で聞かれること

花屋さんの面接では、主に経験と心構えについて聞かれます。

経験は、私は小心者なので、本当のことを正直に申告します。しかし、
「できないことも、できますと言ってしまう」
という人も世の中にはいて、しかもこの作戦は効き目があるらしいです。大風呂敷を広げても後々困らない自信がある人は「できますと言ってしまう」方針を採っても良いかもしれません。

心構えについては、「とにかく、一生懸命やります」ということを、どう伝えられるかが大きなポイントになります。
私は、実はこの部分については非常に強いです。それは、私が今までいくつもの花屋で、経営者の苦労や現場の苦労を目の当たりにしてきたからで、「つらいことは分かっている。それを承知して来ている人間です」ということを伝えるリアリティが違うからのようです。

これは、良いことか悪いことか分かりませんが、私は基本的に「いいように使ってもらってかまわないし、使い捨ててくれてもかまわない」という態度を最初に明確にしてしまいます。はっきり言って、面接のウケは良いです。ただし、これは私の個人的な面接対策法ですので、誰でもそうするのが良いとは思いません。

花屋未経験で面接に臨む人も、「未経験だが、それでも頑張れる。とにかく頑張る」というアピールを上手にするべきかと思います。
結局花屋さんは、体力的に厳しくて、しかもそんなに大きくは報われない仕事を黙々としてくれる人を探しています。なので、別種の職業でも、そのような「厳しい・報いが少ない・黙々とこなす」タイプの職を経験しているなら、職歴として積極的にアピールして良いです。また、接客業を経験していたら、それはぜひともアピールしましょう。

面接の時間は、短ければ3分くらい(顔だけ見たくて面接する店があります)。普通は3分よりかかりますが、せいぜい10~20分程度で済み、30分かけたら長いほうです。


面接時の効果的なアピールは?

花屋さんが、面接のときに本当に聞き出したいと思っていることは、「応募者が、そのとき店に求人募集する必要が生じた要因の解決に役立つ人材かどうか」です。

例えば、
水揚げ専従者が欲しいと思っているなら、「単純作業を根気よくやってくれる人かどうか」
即戦力の店員が欲しいと思っているなら、「経験豊富で呑み込みの早い人かどうか」
特定の曜日のスタッフを補充したいなら、「その曜日のシフトに入れる人かどうか」
ということを、店は知りたいのです。
店が求人募集している理由が明らかならば、「その理由を、私は解決できます」というアピールをするのが効果的です。

特に理由が明らかでないなら、面接の会話のうちに、「何要員が欲しいのか」を探って、それに対応できると良いです。しかし、面接の経験が少ない人は、「会話のうちに察して、臨機応変に対応する」などは困難ですので、どんな店でも必ず聞きたいこと、つまり、「この人はガッツがあるのか、力持ちなのか、シフトに多く入れるのか」の三点を、「私は満たしています」とアピールしましょう。


面接で、実技を求められることもある

店によっては、花束やアレンジの実技を求められることもあります。現場で緊張しないように、心の準備をしておいたほうが良いです。

私が経験した例で言いますと、実技を求めらた面接で、あらかじめ「技術チェックをさせてもらいます」と予告されていたこと、求人広告に明記されていたことは、一度もありませんでした。いつでも、面接の最後に、
「では、花束(もしくはアレンジメント)を作っていただきましょうか」
と、突然言われました。

悔いを残さないように、実技を求められることはいつでもあり得る、と思っておきましょう。

(私の経験によれば、複数の店舗を持っているような大きく経営している花屋が、抜き打ちの実技チェックをよく実施しているように思います)

私の受けた抜き打ちの実技チェックの内容を書いてみますと、

「2,000円で、アレンジメントを作ってみてください。店に有る花材は、すべて使って良いです」
「3,000円の花束の取り合わせを考え、実際に取ってみてください」
「アレンジメントを○○分で作ってください」
「花束を作り、どんなイメージで作ったのか申告してください」

↑というようなものでした。花束とアレンジの割合は、半々くらいでした。
店の言う「作ってみてください」は、「商品になるものを作ってみてください」ということなので、独創性にあふれたものを求められているわけではありません。私は、そのときに自分が「きれいだな。買いたいな」と思う花を使って、そのまま店頭に出せるようなものを作ることにしています。
しかし、リスクを承知で、自分の独創性で面接を勝ち抜くんだ、という気概を持って勝負していくなら、一般受けなど考えずに作っても良いと思います。自分の思う路線で戦っていきましょう。


志望動機は、一つは用意しよう

面接で「当店を希望なさったのはなぜですか?」という直球の質問は、あまり無いように思います。今、過去の自分の面接を思い返しても、一つも思い当たりません。ただ、これは、私が基本的には経験者として面接を受けたからなのかもしれません。経験無しで面接に臨んだ人には、一度は聞かれるものかもしれません。

志望動機を聞かれたときのために、即答できることを一つは用意していくといいです。「用意する」と言っても、作られたうその答えを準備するということではなく、ありのままの志望動機を伝えられる言葉を用意すればいいです。

志望動機については、こちらの記事:花屋さんの「志望動機」はこう書く にも書いています。


面接で「質問はありますか?」と聞かれたら

面接の最後には、「そちらからの質問はありませんか」と言われるものです。
アルバイトやパートの面接であれば、本当に聞きたいことがあれば聞き、特に無ければ聞かなくて良いです。(正社員の面接は、一般的な面接対策をしてください)

「質問はありませんか」
と聞かれて
「無いです」
と言うと、意欲の無い人に見えるのではないかと心配する人もいますが、実際に私は何も無ければ「無いです」と言ってきて、それで合否が左右されたと感じたことは一度も無いですので、無理に質問をひねり出す必要は無いのではない、と考えています。


受験者の数が多くても諦めないこと。何回か落ちても諦めないこと。

花屋さんは意外に求人の倍率が高く、面接の時間に店に行ってみたら何十人も長蛇の列、という場合もあります。
そんなとき、「自分など受かるはずがない」と思ってしまったりするものですが、あきらめないでください。私でも、数十人の中の、たった一人に選ばれたことがあります。私は特に優れた技術・経験があるわけではなく、「十人並み」の人材です。
花屋の面接の応募者は、ほとんど全員が五十歩百歩みたいなものです。だから、チャンスはあなたにも絶対にあります!

私も、採用にならなかったことも何回かありました。でも、落ち込みません。採用されたり、されなかったりするのは、当たり前のことです。

参考までに、今までに私を採用してくれた店で、面接のどのタイミングで「合格」と決めたのかを後になって教えてくれたものを、以下に紹介してみます。

「何か質問ありますかと言ったら、『お店の揃いのジャンパーありますか』と言ったので、花屋の冬の寒さも、その他の厳しい業務も理解していると思ったから」(船橋市某店 倍率数十倍でした)
「握手を求めたら、一番早く応じてくれたので」(新宿区某店 倍率数十倍でした)
「何が、とは言えない。要するに、フィーリングです」(新宿区某店 倍率、多分5倍くらい)

↑本当のことを言ってくれたのかどうか分かりませんが、私にはこのように説明してくれました。


面接の前後の流れは……

面接の前後の流れなどは、こちらの記事を参考になさってください→花屋アルバイトの、採用・不採用までの流れ


管理人の面接攻略法:私が面接で強調すること

私は、「この花屋さんの求めている職人になります」と強調します。
一口に花屋と言っても、立地や商品・値段の設定などにより、商いの形は様々です。A花屋のやり方が、B花屋で通用するとは限りません。なので、
「よその花屋のことは関係ない。この店にふさわしい人間になります」
と宣言するのです。


管理人の面接攻略法:私が「面接では聞かれない限り言わない」こと

私はいけばなの免状を持っていて、現在では自分がいけばなを教える稽古場も持っています。
しかし、私はいけばな経験を、花屋の面接の席では申告しません。聞かれれば、言います。それまでは黙っています。

なぜかと言うと、
「いけばなの型のような花しか作れない」
「お稽古の延長のような気持ちで、気楽に応募して来たに決まってる」
「花屋のことをわかった気になっているに決まってる」
という先入観を、絶対に持たれるからです。
また、実際に、趣味で花のデザインを好きになり、それが高じて花屋になった人の中には、すぐに音を上げて脱落していく人が多いのです。自分はそうではない、という思いから、私は「花屋経験の有無」しか申告しないのです。

私は、ほかの花の資格を持っていたとしても(持ってはいませんが)申告しないと思います。NFDの資格などは、店によっては持っている人をむしろ敬遠します。
実際に、店の人がそうやって応募者を選別しているのも見てきましたので、面接中の話の流れで、「言っても大丈夫だ」と確信するようなことでもなければ、私は花の資格のことは言いません。

稀に、「花の扱いは素人ではありません。作品を見てください」と言って、作品写真のアルバムを持ってくる人がいるんですが、それがプラスになった例を、私は見たことがありません。「アルバムなど持って行くな」とは言いませんが、よほど出すタイミングをうまく見極めないと、自分の評価を上げる材料にはならないと思ってください。多くの場合は、
「お教室レベルのスキルで、即戦力になれると思っている甘い考えの人」
と思われることになります。

「花の資格は持っているが、それは花屋業務とは少々違う土俵の話であることをきっちり分かっている」くらいが、花屋スタッフとしては健全な意識だと思います。


実例:私は一度だけ圧迫面接を受けたことがある

就職・転職活動をしている人なら、「圧迫面接」という言葉を知っていると思います。
圧迫面接とは、わざと受験者に嫌な思い(威圧的な態度をとる、明確な意地悪を言うetc)をさせるような質問をし、それにどう対応するかで、受験者の素の人間性や、対応能力を見極めるというものです。

私は、某有名生花店で、これを受けたことがあります。受けたときには気付かず、その数年後になって、「ああ、あれが圧迫面接というものだったのだな」と気付きました。
私が受けた圧迫面接は、
「ほかの人は、手当て(交通費など)を遠慮しても良いと言っている人が多いが、あなたもそういう決意があると思うので、述べてください」
というものでした。
私は、面接を戦略的にシミュレーションするタイプではなかったので、圧迫面接というものがあることすら知らず、「有名店なのに、非常識な店だなあ」と思い、こんな店で働かなくてもいいという気になり、「仕事を頑張ります」という「決意」を再度伝えただけで、手当て放棄については何もコメントしませんでした。
結果、私はその面接に落ちましたが、「では私も手当は要りません」と言えばよかったとは、いまだに思えません。

というわけで、圧迫面接を受けたときにどうすればいいのかという解決策を私は提示することはできませんが、花屋のバイトの面接でも、圧迫面接はあり得るのだということだけでも伝えたいと思います。

 

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