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花屋さんに向いてる性格はあるのでしょうか?


花屋さんに向いてる人の性格は?

花屋さんに向いている性格なんて、あるんだろうか?

花屋さんに向いてる性格が「有る」とは、私には断定できません。しかし、今まで複数の店舗で、やめていく人と何年も続けていく人をたくさん見てきた結果、
「傾向らしいものが、有ることは有る」
と感じています。

この記事では、管理人が個人的に感じている上記のような「傾向らしきもの」について書いてみます。個人的に感じているレベルのことですので、それが正しいとも言いませんし、信じてくださいとも言いません。

「こういう人はダメだった」
「こういう人はキビシイのではないか」
という文も書いていますが、それが自分にピッタリ当てはまっているからといって、「花屋、諦めよう」と思う必要もありません。ご自分の思う道を進んでください。
ただ、「こういう例もあった」のだということを、賢く参考にしていただければ幸いです。

 

意外に、花が好きな人が長続きしない

これは、多くの花屋さんが共感してくれると思います。
なぜか、本当に花が好きで、
「花屋さんになれて嬉しい。夢だったんです」
と言うような人が、1ヶ月程度でやめていくことは多いです。三日でやめるような人よりも、一ヶ月程度頑張ってくれて、でも「違う」「ダメだ」と思うのか、やめていくのをよく見ます。
周りからは、「花屋さんが天職でしょう」と言われるような人が、そうなることが多いのです。

特徴を挙げてみると、

「自他共に認める花好き」
「花のことは、触るのも見るのも好き」
「花の本や雑誌もよく読み、イベントにもよく行く」
「つらくても頑張って、仕事に役立つ勉強をしたいと思っている」

↑このような人が多く、これだけ読むと、続けないほうがおかしいように感じますが、実際には、そういう人がよくやめていく印象があります。
管理人自身はこのタイプではないので、上記のようなタイプの人がどこで折れてしまうのか良く分からないのですが……夢が大きすぎるんだろうか?と思ったことはあります。

私は、今までこのタイプの人にずいぶんたくさん会いましたが、ほぼ全員に共通するのは、

◎ポジティブな発言をしてくれるので、こちらもハッとして「頑張ろう」と思うようなことがよくある
◎そばで見ていて、「本当に花が好きなんだなあ」と分かるので、気持ちがいい
◎仕事もすごく意欲的に頑張ってくれる
◎ある日突然、やめたい意向を明らかにする
◎明らかにした時点で、やめたい意向は固まっている
◎やめた後に、店に来てくれる人は稀

↑というようなことです。
そして、残った店の者たちに、「真面目な人だったなあ」と言われることが多いです。


花の資格を、とても大事に思っている人は……

たとえば、NFDの資格を持っていることを、面接の時点でとても強くプッシュしてくる人なども、よくやめるように思います。やめた後になってから、
「資格でなんとかなると思っているような人だった」
とスタッフに話されるのを、何度も聞いた覚えがあります。

実際に、
「資格を持っていれば即戦力になれる、一目置かれる、当然私は花屋の能力も優れている」
などと思い込むような安易な考えを持っていたのであれば、現実を思い知った時に続けられなくなっても無理はないと私も思います。
花屋の現場で、資格はほとんど何も解決してくれません。しかし、資格を出すほうは「これであなたもプロです」と言うような表現をすることが多々あるので、このギャップは永遠に埋まらないような気がします。(「花装飾のプロ=花屋のプロ」ではないです)

結局、資格だけをよりどころとしていると、
「どうやら、資格は武器にならない」
と悟ったときに絶望する、ということなのかもしれません。これも私には経験が無いので、心情を察することができません。(私は、花の免状を持っていますが、花屋の採用面接では、それをこちらからは言いません。ここでも書いています→花屋さんの面接で聞かれることは? 服装は?


花屋はきれいなだけだと思っている人は……

花屋は、一日中きれいなものの中にいるだけで仕事になる……このような認識の人は、すごく幻滅した顔をしてやめていきます(そんな認識自体信じられないですが)。
花屋でなくても、ほかの仕事もみなそうですが、傍から良いところだけ見て、それが仕事のすべてだと思うなど、想像力がなさ過ぎる。その上、
「花屋さんがこんなつらい仕事だとは思わなかった、夢をつぶされた」
と言って去るような人までいることには、本当に驚かされます。

常識と、一般的な情報収集力があれば、「花屋さんは結構な重労働で、楽な仕事ではない」ということくらい、知らないわけではないと思います。そこから想像した範囲を、現実が超えていたということなのでしょうか。
花屋の仕事は、力も要るし、汚いものを見たり処理したりすることもあるし、困ったお客さんの相手をすることもあります。「きれいで楽しいだけ」と思うなら、それは幻想です。


労働力を読み違えている人は……

(上の項とやや重なります)
思っていたよりも重労働なことに気付いてやめる人も多いです。

「花屋さんは、力仕事が結構必要なのだ」
というくらいの情報は、花屋になろうとする人なら得ているはずだと思います。しかし、重労働にもレベルがありますから、そのレベルの読みに失敗し、
「これにはついていけない」
と思った人が逃げていくのでしょう。

花屋さんは、店頭に女性が立っていることが多く、とくにデパート花屋などは優雅に商売しているように見えますが、水換えや水揚げ、それに付随する諸々の雑用は、力仕事が多いのです。花束やフラワーアレンジメントを作っている姿は、花屋さんのほんの一面です。
上の項で挙げたタイプもそうですが、労働力を低く見積もり、それを超えられたときには対処しようと思わない(もしくは対処できない)人は、やめていくことが多いようです。


稽古花・レッスン花に親しみすぎた人は……

(管理人自身このタイプなのですが、それでも花屋業務だけが長く続いています)
稽古花(いけばな、フラワーアレンジメントの区別なく)に親しみすぎた人は、花屋としては振る舞いが素人くさく、その素人くささから抜け出せない人は、「なんだか合わなかった」というようなやめ方をしていくケースがあります。

習い事の花の世界の人は、花屋からすると、なんというか動きに合理性が無いことがあります。そして、手のスピードが圧倒的に遅いです。遅いスピードが習慣化しているので、せっかく知識があって植物の扱いにも慣れているのに、花に無知な新人のバイトさんよりも仕事が遅いことがあります。

また、余計なお稽古知識を「花屋の世界でも常識」と思い込み(ある程度は仕方ないことです)、しなくても良いことを勝手にやっていたりなど、店からすると面倒くさい人になってしまうこともあります。そして、そんな空気が賢く読めてしまった人は、「自分には、合わないのかもしれない」と自覚してやめたりします。

本当は、レッスンはレッスン、仕事は仕事で切り替えれば済むだけのことだと思います。しかし、これを乗り越えられない人は、結構な数で存在します。


花に思い入れが無い人が、意外に長続きする

「花は別に好きなわけじゃない、たまたま求人のチラシを見て、勤務時間がちょうどいいので希望しました」というような人が、花屋になるのが夢だった人よりも花屋で長続きし、評価もされているケースは非常に多いです。(私も実際にそういう人を多く見ているので、最近は「花が好きなのも考えものだ」とさえ思うようになりました)

なぜこういう人の方が長続きするのかと考えると、業務として、クールにドライに色々割り切れる人の方が良いということなのかもしれません。
世の中には、「職業に対する憧れや思い入れ」が、マイナスに作用する人が意外に多いものなのかもしれません。


手抜きがデフォルトな人は、続けるのがつらいと思う

何もかも、人より少しずつ手抜きな人は、
「ちゃんとやれ」
「この水揚げやったの誰だ」
などと毎日言われると、続けるのが厳しくなるかもしれません。

花屋の場合、手抜きは高確率で発覚します。仕事によっては、手抜きをしても後から帳尻を合わせられるようなこともあると思うのですが、花屋はそうでないことがほとんどで、しかも発覚すると
「仕事をする意欲が無い人」
「危険すぎて、仕事を任せられない」
と思われてしまいます。
手抜きは、ほとんどの場合で店に不利益になるので、取締りがゆるむことがあまりありません。なので、「真の手抜き人間」には、花屋はあまり向かないかもしれません。

しかし、面白いもので、
「基本的にはいい加減な手抜き人間なのだが、なぜか花屋業務をきちんとやるのだけが苦にならない」
という人も存在するのです。自分を手抜きタイプだと思っても、実際にトライする前に諦めるべきではないように思います


一番長続きするのは、辛抱強い人

辛抱強い人が長続きする、という事実は、「それだけ辛抱強さを求められている職だ」ということなのかもしれません。
汚れ仕事、力仕事を嫌がらず、疲れても態度を変えない強さのある人は、脱落していくことは少ないものです。
私は、「花が好きだ」という思いが、この強さに通じるものだと以前は思っていたのですが(好きの一念で、何でもできるということもありますから)、どうも、色んな人を見てきて、現在は「花が好き」だけで解決できることはほんのわずかなのだなと思うようになりました。

現実には、辛抱強く体力がある人たちが、一番花屋業界を支えている人たちだと思います。
「花を愛している甘い考えの人」よりも、
「花にそれほど愛は無いけれど、辛抱強くて体力十分」の人の方が、
どうやら長続きするようです。

私が思うには、「愛」は職業には必須ではありません。(愛あってうまくいくなら、それが一番だと思います!)
ただし、「花が嫌いでたまらない」人では困るように思います。また、職業的な興味さえも、花に対して持てないのであれば、それも大いに困るし、あまり発展性が無いのではないかと感じます。

 

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