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フラワー組織の中枢で講師になる


フラワー組織の中枢で講師になる

花の講師募集に申し込むで解説したような方法は、トライする機会自体は誰にでもあると言えます。
しかし、フラワー組織の中枢の、たとえば、「○○フラワースクール本部講師」のようなものは、誰でも獲得しに行けると言えるものでもなくなってきます。

多くのフラワー組織は、本部講師を募集したりはしません。むしろ、組織の側から、一個人にオファーが行く形式が多いと思います。なので、何らかの形で、組織の中で存在を知られる人である方が断然有利です。(歴史が浅く、ディプロマを持っている人数自体が少ないような組織だと、本部との些細な接点により声がかかる可能性も無いではないです)

実は、「こうすれば、フラワー組織の中枢で講師になれる」という必勝法はありません。
しかし、「このような努力はした方が良いだろう」と思われることなどを紹介したいと思います。また、本部講師になること自体のメリット、デメリットも紹介してみます。

 

フラワー組織の中枢で講師になることのメリット

以下のようなメリットが考えられます。

【1】箔付けになる

フラワースクールや、流派、協会のような組織が、つまり公式で「その組織の優れた指導者」と認められた人材なのですから、ほぼ最高の箔付けと言えます。
先生の肩書きを重んじるような生徒さん・営業先を相手にするのが容易になります。
また、プロフィールを書くときには、この箔付け要素があると、非常に格好がつきます。

【2】組織経由の仕事が入るかもしれない

個人で営業をかけられないような大企業相手の仕事も、組織経由で手がけることができるかもしれません。できたとしたらその経験により、更に【1】のメリットがパワーアップします。

【3】大舞台を経験できるかもしれない

所属組織が参加する世界大会などに、参加・出品できるようなこともあるかもしれません。個人教室の先生では経験できないような作品を作れることもあるかもしれません。そうすると、その経験により【1】のメリットもさらにパワーアップします。

【4】単純に、「嬉しい」

何かが優れていないと、組織の講師に迎えられることなどほぼ無いのですから、一つの道を努力して歩いてきた人なら「認められた」という思いは嬉しいはずで、これだけでもメリットと言えます。


 

フラワー組織の中枢で講師になるデメリット

以下のようなデメリットが考えられます。

【1】精神的な負担

精神的負担、つまりプレッシャーです。
基本的には、所属組織の講師として作品を作るときには、
「ヘタだ」
「大して上手くない」
などと言われるわけにはいかない、という思いでいなければなりません。また、ほかの講師の先生と比較されたりすることも、絶対にあります。フラワー組織の中枢で講師になりたいなら、プレッシャーにうち勝つ強い人になる必要があります。

【2】金銭的に報われることは、人が想像するより少ない

【1】のような苦労があるわりに、収入はそれほど高くならないことが多いと思います。「組織も講師も、どちらも大いに儲かっている」、という組織は、私は聞いたことがありません。いけばな・フラワーアレンジメント・プリザーブドフラワーなど、各業界みんなそうです。
「組織のために滅私奉公」というところが多いと思います。お金のことは、それほど期待できません。
組織の本部講師の肩書を最大限に利用するなら、むしろその箔付けを利用して、自分の才覚で「組織の外」で儲けましょう。

【3】しがらみが増える

組織の「公人」になるので、本部主催の展覧会は出品しないわけにはいかなくなります。パーティーの出席なども断りにくくなります。
また、色々な催しに呼ばれるようになり、断れずにそこに行くようになると、例えば個展会場などで、作品を買わないでは出られなくなることもあります。

行きたくもない集まりに行き、買いたくもないものを買った出費が、本部講師として得た収入よりも多い、などということは、現実的にあり得ます。

【4】自分の教室より、組織を優先しなければならないこともある

場合によっては、組織の行事や仕事で、自分のレッスンに代行を立てたりする必要が生じるかもしれません。これはある程度仕方ないことですが、あまりにも自分の教室を無下にすると、生徒さんが不満を持つこともあるので気をつけましょう。(基本的には、生徒さんは自分の先生が「組織の上位の先生」になると喜びます。「いい教室に自分は通っているんだ」という満足感につながるようです)


 

しておいた方が良い努力

各ジャンルで見聞きしたことをもとに、管理人自身が思っていることを書いてみます。(私が実践しているわけではないです)

なるべく行事に参加する

組織の行事には、パーティーのようなものから、有料・無料の講座、作品展まで、積極的に参加していきましょう。全部参加するくらいの意気込みがあれば最高です。参加率が平均より高い人でないと、組織には招かれないと思った方がいいです。

組織の方針・流行を追いかける

たとえば、「クラシックなスタイル」を組織がプッシュしてきたら、すぐに反応して展覧会にクラシックスタイルの作品を出品する、というようなことを指します。プリザーブドフラワーなどは、組織によって花材銘柄のプッシュがある場合がありますので、そういうときは、様子見などせず、プッシュ花材をすぐに活用します。
このようなことを、一回や二回やるのではなく、常にしていく意識を持ちます。

技術を磨く

技術の無い人には公式からの誘いなど来ない、と思いましょう。

上記の3項目を、継続する努力をする

組織は、目に見える努力をパワーダウンせずに継続する人を評価しますし、「そういう人に報いたい」という思いもどうやらあるようです。ならば、報いてもらえる状況を作りましょう。

上記のような努力をしても、誰でも組織の講師になれるわけではありません。有名な団体の講師などは、厳選された数人の人にしか、チャレンジする機会さえも与えられません。それでも、わずかな機会を求めていきたいと思うのであれば、上記の「努力項目」くらいは当たり前にこなさなければならないと思います。


 

機会を見逃さないで

花の組織が、ある個人を講師候補にした場合、本当に講師にして良い人なのかどうか判断するための、オーディション的な誘いをかけてくることがあります。
たとえば、

「特別な講座を受けてみませんか」
「特別な花展に参加しませんか」
「特別なグループのメンバーになりませんか」

などです。この手の空気を読むのが得意な人は、ぜひその機会を見逃さないでください。オーディションを通ることは、オーディション自体を回避していては果たされません。

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