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花の先生も、オンライン講座について一度は考えてみるべき


花の先生も、オンライン講座について一度は考えてみるべき

オンライン講座をどう思うか、講師として一度よく考えよう

花を教える先生の中でも、技術指導をしている先生は、「生徒と対面で直接指導する方が良い」ということは、はっきりした事実です。
しかし、花の指導を生業としているのであれば、一度はオンライン講座について考えてみましょう。

自分の教室でオンライン講座を開講することを、リアルにシミュレーションしてみることをお勧めします。してみた結果、「やはり対面の指導しかありえない」という結論に達したとしても、です。

何が起こるかわからない世の中で、自分の仕事の持つ可能性を最大限に広げていく思想を持つことは、無駄なことではありません。

 

オンライン講座の通信手段を考える

自分が教えている環境で、どうしたらオンライン講座ができるのか考えてみましょう。
少なくとも手元にネットにつながるPCか、タブレットか、スマートフォンを用意することになります。

自宅教室なら、プライベートで使っているネット環境を使えば良いですが、場所を借りている場合は、新たに機器をそろえる必要があるかもしれません。
新たに何かを購入するのであれば、その費用に見合う講座ができるのかどうかも考えましょう。

また、上にはスマートフォンでもできると書きましたが、管理人の実体験で言いますと、スマホの画面は小さすぎると感じます。私は個人的には、よほど必要に迫られなければ、スマホではレッスンをしたくないと考えています。

使用するアプリケーションは、ZOOM、Skype、Google Meetなど、いろいろあります。個人教室であれば、メジャーなアプリを使っておくのが安全かと思われます。
困ったことが起きたときや、応用的な使い方をしたくなったときなどに、検索で簡単に対処法を見つけられるものが良いのではないでしょうか。
(私は、個人的にはZOOMが簡単で良いと思っていますが、ほかのものは使ったことが無いので、比較したレビューをすることができません)


 

オンライン講座の映し方を考える

座学であれば、ただwebカメラの前に座っていれば良いですが、作品を作る技術指導をするなら、手元をアップにしたり、植物の状態をよくわかるようにしたり、作品の全体像を見せたりと、いろいろな映し方ができる方が良いです。
カメラを固定し、高さや角度を変えることが簡単にできるスタンドがあると便利です。(本当に一番良いのは撮影カメラマンがいることです。これが実現できる先生はぜひそうしてください)

しかし、個人教室であれば、いきなり何もかも完璧にしようとせず、先生も生徒さんも、徐々に慣れていって良い方法を見つけていくくらいの気持ちでも十分でしょう。
カルチャーセンターや教育機関で教えている先生は、できれば運営元と相談してできる限りの良い撮影環境を作りましょう。カルチャーセンターなどは、別講座に配信に強い講師さんがいると、アドバイスをもらえることもあります。

カメラの使い方は、先生の側だけでなく、生徒さんの側も工夫してもらう必要があることもあります。しかし、生徒さんたちにもそれぞれの環境やスキルがありますので、手元を映すのが難しい人に、それを強要するようなことは避け、一緒にうまいやり方を考えてあげましょう。


 

オンライン講座で、生徒さん側が用意するべきものを考える

オンライン講座は、自宅に居ながらにして講座を受けられる大きなメリットがあります。しかし実技系の講座の場合、自宅で受けるからこそのデメリットも発生します。

本来なら教室にある道具を受講者が使えばよかったものを、受講者自身が用意しなければならないことがあり得るからです。特に、
「道具も材料も稽古場に完備。手ぶらで来ればOK」
を売りにしていた講座などは、本来のメリットを失います。

受講者が用意するべきものについては、以下のようなことを考えておきましょう。

「いけばなやフラワーアレンジメント、プリザーブドフラワーの講座は、生徒さんの使う花器をどうするのか? 花材はどうするのか? オアシス・剣山や資材はどうするのか?」
「ガーデニング系の講座は、花苗や土や鉢をどうするのか?」

今まで、「教室に行けばあった物」を、全部生徒さんに自分で選んで買ってもらうのか? あるいは配達で届けるシステムにするのか?
もし、生徒さんに買っておいてもらうことにしたときに、生徒さんが講座の主旨に合わないものを用意してしまっていたらどうするのか?

あらゆる可能性を考え、生徒さんに損をさせない方法を探しましょう。先生の側が用意するものよりも、生徒さんが用意するものに気を遣っていきましょう。


 

通信不良のときにはどうするか?

オンライン講座時に、通信不良が発生した時にはどうするのか、ということは、あらかじめ考えて取り決めておきましょう。

通信不良の原因が、
講師の環境にあるのか、
受講者の側にあるのか、
双方にあったらどうするのか。

受講には料金が発生するのですから(無給のボランティアであればそれほど気を遣うことは無いですが)、受講者が支払いをしなければならない場合と、しなくても良い場合をきちんと決めておかなければなりません。

オンライン講座は、始めてみると予想もできなかったアクシデントが起こることがあります。想定していなかった通信不良が発生したら、その都度誠実に対応を考えましょう。


 

すべてをオンラインで済ませていいものか?

オンライン講座を行うと決めたとして、すべてをオンラインで済ませてよいものかどうかを考えましょう。
主としてオンラインで行って要所要所は対面でレッスンするのか、すべてをオンラインで完結できるようにするのか、です。

花の講座には、昔から通信講座も各種あるので、講師と対面せずにレッスンをしてきた土壌はあるのです。なので、工夫すれば「すべてオンラインで良しとする」ことは可能ではあるでしょう。
しかし、今まで対面で直接指導してきた教室、本来対面で指導できる環境は持っている教室は、果たしてそれで良いのか? あるいは、同じ教室の生徒さんの中で、一部はオンラインで習い、一部は通ってきて習うような状況になっていたら、オンラインの人だけ実地で直接見てもらえないのは、それでよしとするのか?

このことは、生徒さんがどう感じるかも考えて決める必要があるかもしれません。
技術指導が正しく行われ、しかも生徒さんが満足するには、講師はどうすれば良いのかをよく考えましょう。


 

オンライン講座をするのか、しないのかを熟考しよう

上記のようなことをリアルに考えて、自分の教室はオンライン講座を導入するべきかどうかをよく考えましょう。

当サイトは、オンライン講座を推奨しているのではありません。「一度は、まともにオンライン講座と向き合ってみるべき」と提案しているのです。

熟慮の末、
「オンライン講座はしない。実地の指導しかありえない」
との結論に至ったのだとすれば、それがその教室の見識です。
その一方で、
「オンライン講座を積極的に開いて、教室の売りにしよう」
と思うのも、立派な見識です。各教室で異なる見解があって当然です。


 

教室の運営元にオンライン講座を求められたら

自分で「オンライン講座を始めようか」と思う前に、教室の運営元(カルチャーセンターや各種教育機関で指導していると、講師本人は運営の責任者ではない場合があります)から「オンライン講座を開いてください」という声が出たなら、なるべくその希望に沿えるように考えてみたら良いでしょう。
その場合、運営側にオンライン講座の環境を整える意思があるということなので、オンラインを行う方向に話をすすめるなら、できるだけ良い環境をそろえることを運営と相談しましょう。

講師として、オンライン講座はやりたくないと考えている場合は、少し話がやっかいです。運営元にやとわれている講師の立場としては、上から
「オンライン講座をやってください」
と言われてしまうと、それを断ることは難しいものです。ですが、講師として「やるべきではない」と思うのであれば、そしてそれをきちんと説明できるのであれば、
「やらない方向性を認めてほしい」
という話をするしかないと思います。
その交渉が「それでも、どうしてもオンライン講座をやっていただきたい」との結論になったら、潔く講師から降板するか(でも、この決断はすすめません。あまりに勿体ない)、なんとか自分の納得できるオンライン講座のあり方を探していくか、どちらかです。

管理人自身の経験から言いますと、オンライン講座のお試し期間を設けて、無料か割安で何回か開講してみて、運営元だけでなく生徒さんたちの声も聞き、自分なりのオンライン講座のスタイルを探していったらどうだろうかと提案したいです。
うまくいかなかったかな……というレッスンは、後から挽回することが可能です。しかし、自ら降板した講座の講師に返り咲くことは、おそらく二度とできないです。


 

オンライン講座を開講したら、生徒さんの提案を大切にしよう

オンライン講座の開講に熟練している人は別ですが、オンライン講座に新たに着手した講師の人が開講を始めたら、生徒さんの声に慎重に耳を傾けましょう。

ストレスなくオンライン講座を受けてくれているのか。
ストレスがあるなら、どの部分なのか。
具体的な改善の提案を持っていないか。
そもそもオンライン講座自体をどう思っているのか。

小さな声も拾い上げ、必要なら、一度始めた体制も、恐れずに変えていく柔軟性を持ちましょう。
そして、始めてみて「これではレッスンにならない。これではお月謝を取れない」と思うなら、しかもそれを改善できないと思うなら、オンライン講座から撤退するのも講師の誠意です。

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