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花屋さんのやめ方


花屋さんのやめ方

花屋さんを、きれいに辞める方法

なりたくて花屋さんになった人でも、色々な理由で辞めようと思うときはあります。管理人自身も、何軒かの花屋をやめて、現在があります。
辞めるための現実的なアクションを起こすのは、正直なところ気が重いです。そこに正当な理由があっても、気が重くなくなることはあまりありません。
この記事では、「辞めるときの気の重さ」を軽減するために、役立つ情報を紹介しようと思います。

※主に、アルバイトの身分で辞めようとする場合の情報になります

 

いつ、「辞めます」と申告するのか

まず、いつ辞めたい意思を正式に申告するのか、というところから始めます。
アルバイトの雇用について、ネット検索でもすれば分かると思いますが、民法上、「退職の意思は、2週間前までには伝える」のだそうです。(参考:アルバイト 辞める 法律で検索

しかし、私の今までの経験では、「民法に従って、2週間前までにやめると言おう」という人は見たことがありません。
私と、私の花屋仲間たちが、どんなタイミングで「やめる」と申告したかを挙げてみると、以下のようになります。

【1】店のシフトを組むのに迷惑でないタイミング(このタイミングが、2週間前なら2週間前に言うし、1ヶ月前なら1ヶ月前に言う)
【2】次の物日の迷惑にならないタイミング(母の日前など、店が忙しくなるときを避けて申告する)
【3】辞めなければならない明確な事情が発生した日(引越し、親の介護発生、結婚etc)
【4】仕事に耐えられなくなった日(今日で辞めます、も含む)

アルバイト店員が現実的に大切にするべきは、店に迷惑をかけないことと、自分を守ることです。この二つは、できれば両方守りたいですが、どちらか一つしか守れないなら、自分にとって、より大切なほうを選択しましょう。

やめ方としていかがなものかと思うのは、上のリストの【3】と【4】で、退職日目前にして言う場合でしょう。
しかし、【3】は、どうしても辞めなければならない理由が発生していますので、それを盾に取って納得してもらうしかありません。また、【4】は、「勝手なバイトだ」と言われるかもしれませんが、そのリスクよりも続けるリスクのほうが大きいと判断しての行動ですから、これも「どうしても、できないのだ」と訴えて納得してもらいましょう。
「法律上それでは困る(2週間前に言ってもらわないと困る)」と言われたらどうしよう、という心配は、無用だと思います。花屋のアルバイトの退職時に、民法を持ち出してくるオーナーはいません。持ち出してきたとしたら、それは急にやめることを言い出したことに対するお説教のようなものだと思ってください。


黙って辞めてしまうのは、お勧めしません

何の断りもなく、ふっとやめてしまう、俗に「バックレ」と言われるやめ方は、お勧めしません。しかし、私の同僚にも、何人かはいました。

或る日、突然出勤して来なくなり、電話しても出ない。何日か待っても出てくることは無く、結局そのままうやむやのうちに退職者扱いになる……。
これは、立派な社会人のすることではないと思います。やめた人には、何かしら店と縁を切りたい事情があったのだと思いますが、やらないほうが良いことは明らかです。
どんなに嫌でも、1回は店に行って、ウソの理由でもいいから申告して、形だけでもまともにやめたらいいのです。

辞められるにあたって、店の側には、ぜひとも一度は店に来てもらいたい理由があります。
アルバイトだと、給料は手渡しのことが多く、連絡を絶たれてしまうと、最後の給料が宙に浮いてしまいます。これが、実に扱いに困るお金になるのです。やめる方は「もらわない分にはいいだろう」と思うのでしょうが、気まずくてもお金をもらえるのだと思って、我慢して店に来ていただきたいものです。


辞めたい意思は、誰に申告する?

一般的な町の花屋なら、その店の主人=オーナーに申告すればいいでしょう。
オーナー自身は滅多に店に来ないようなところならば、その店の責任者に申告しましょう。もしも、店の責任者に、「そういう話は、オーナーに直接してください」と言われたら、オーナーが次に来るのはいつか、または電話で報告でもいいのかなど、聞いてみましょう。

辞めると伝えるときには、口頭で伝えれば良いです。もともと、アルバイトは契約書も交わさずに働いていますから、辞めるときにも、普通は「退職届」なども書きません。(まれに、書かされる店もあります。それについては後述します)
伝えるときには、「いつまでに辞めさせて欲しい」と言うだけで大丈夫だと思います。理由などは、聞かれてから答えればいいです。
店と、「辞める理由を言わないのは不誠実」だと思える関係を結んでいたら、そのときはもちろん誠意を持って理由を説明しましょう。


辞める意思表示は、基本的には直接言う

上の項に、「滅多に店に来ないオーナーに、電話で退職希望を伝える」ということもあるように書きましたが、これはイレギュラーケースです。基本的には、職場で直接「お話があります」と切り出します。(上の項のイレギュラーな例でも、現場の上司には直接言っています)

退職を言い出しやすい理由と環境があれば、これはそんなに困難なことは無いのですが、非常に言い出しにくい場合というのはあるもので、そういうときには「メールで済めば楽なのに」と思います。
しかし、現実には、メールで「辞めたい」で済ませるられることは無いと思ってください。もちろん、LINEも同様です。アルバイトの身分とはいえ、このやり方はまだまだ許されません。

「やめたいと思っている」という申告でさえ、メールやLINEはNGなのですから(基本的には電話もNGです)、メール・LINE・電話で、「辞めます」と言って翌日から来ない、などは言語道断です。「辞める」の一言があったとはいえ、これは黙っていなくなるのとほぼ同等の行為です。


辞める「理由」は、何がいい?

本当は、正直な理由を言えばいいと思うのですが、それができないこともあるものです。

花屋の退職理由については、私は比較的恵まれてきました(変な表現ですが)。言い難い理由で辞めたことは、実を言えばあまり無いです。
私が、実際に申告した理由を以下に書き出して見ます。

◆別の仕事が決まったので
◆もともと半年の契約だったのが伸びに伸びて、一年を越えてしまったので、この辺で打ち止めにしたい
◆(社員になるか、辞めるかの二択を迫られて)社員にはなれないので辞めます

上記の中で、特に言いにくかったものはありません。ちなみに、全部正直な本当の理由です。
言いにくいのは、人間関係の問題や、店の方針に不満があるような場合や、理由とも言えないような理由(なんとなくいやになった、というような)のときだと思います。

正直に言っってしまったら見も蓋もないと思ったら、私もきっと、当たり障りのないウソを言うと思います。
自分では活用したことが無いですが、当たり障りのないウソの理由を、以下のように考えてみました。

◆親の介護をすることになりました
◆子供が受験なので
◆家業を手伝うことになりました
◆主人に仕事をやめろと言われた
◆正社員になるために就活を始めたい
◆医者に止められた(花屋は一種の肉体労働なので、信憑性があります)
◆(学生なら)学業が忙しくなったので続けられない
◆自分は花屋業務に向かないと思う

↑比較的引き止めにくい理由、として考えてみました。
「時給が安い」、「シフトが合わない」などの理由を出してしまうと、時給アップや、シフトを考慮することを約束されて、引き留められるかもしれません。もしも、店の出してできた「改善案」で、「留まってもいいかもしれない」と思うなら、引き止められてしまっても良いと思います。

どうしてもその店をやめたいと強く思っているなら、どうにもならない理由があって出て行くのだと言う方が良いです。
引き止めるの余地がある理由を言った場合、人と話していくほどに相手のペースに持ち込まれるタイプの人は、店側と話しているうちに「では、もう少しがんばってみます」と言わされてしまうかもしれません。店も、店員を一人も手放したくないと思っているときには、本気で慰留してきます。どうしても辞めたいのであれば、上記の「ウソの理由」など参考にしましょう。

店に残る気持ちが無いときに、絶対にやってはいけないのは、「補充要員が確保できるまでいてくれ」と言われて、「ハイ」と言ってしまうことです。
店は、補充要員なんて探してくれないかもしれないですよ。理由をつけて求人募集を出すのを先延ばしにして、限界まで今の雇用関係を続けさせるつもりで言っているのかもしれません。


辞めるための、「効果的」で「強い」理由

店が納得する、もしくは納得するしかなくなる退職理由というものがあります。店にも本人にも、どうにもならないような理由を申告すれば、引き留めたい店もあきらめるしかありません。
そのような強い理由とは、例えば以下のようなものです。

◆家庭のこと(親が○○なので、子供が○○なので、主人が○○なのでetc)
◆体のこと
◆すでに決定されて、動かせない何か(他への就職が決まった、海外に留学するetc)
◆経済的なこと(この店の給料では生活できない・結婚資金を貯められないetc)

↑これを言われて、それでも引き留める店は少ないと思います。


アルバイト初日に辞めたくなったら

これは、花屋でなくてもあると思います。もしかすると、心の中では半数以上がこう思ってるくらいかもしれません。

この場合は、とりあえず次の日も行ってみたらいいと思いますが、他人にも、自分自身にも、辞めたい理由をきちんと説明できるなら、「一日で辞める」という選択肢を取ることもあって良いのでしょう。
そうなったとしたら、アルバイト初日のうちに、「辞めたいです」と申告してもいいと思います。非常に気まずいでしょうが、その気まずさよりも、明日の業務が耐え難いと思うなら、そうしたらいいと思います。

アルバイト初日に「辞めます」と申し出るなど、非常事態のようなものです。なので、この場合は表面だけのウソは要りません。言っても、全部ウソだと店にも分かります。ならば、正直に言いましょう。「こんな業務だと思わなかった」「人間関係に入っていけそうにない」「雑用しかできないのは嫌だ」など、本心で思ったことを申告しましょう。

店は、
「1日くらいで、そんな決断をしなくても」
と言うかも知れません。何人ものアルバイトを雇ってきた店なら、「やめたい」と言っていたような人が、意外にリーダー格まで成長することもあるのを経験していたりするからです。せめて一週間、せめて三日でもいいから、やってみたら。それでダメなら、相談に応じます……などと言うかもしれません。
そう言われても辞める決意が固いなら、情で引き伸ばすことはありません。互いに、何の得にもなりませんから。
反対に、引き留められて、ぐらつく気持ちがあるなら、次の日も出勤したらどうでしょう。上にも書きましたが、「辞めたい」と言っていた人が、店を動かす存在になることもあり得るのです。


「退職届」が必要だと言われたら

町の花屋のアルバイトで、辞めるときに「退職届」が必要なところはほとんど無いはずです。しかし、少し大きな会社組織になっている店だと、ごくまれに、形式上必要だから書いてください、と言われることがあるらしいです。(私は、そのような店は直接は知りません)
その場合、書くのに悩むところはほぼ無いかと思いますが、「退職理由」をどう書くのか悩んだら、「一身上の都合」で良いと思います。もっと詳しい理由が必要だと言われたら、もう少し具体的に書けば良いでしょう。


辞めたい人は、何があっても辞めるもの

私自身、花屋を数回辞めたことがあり、辞める同僚も見てきた経験から言いますと、本当に辞めたいと思っている人は、何を言われようがどんな条件を提示されようが、絶対的にやめていきます。「完全に辞める気持ちを固めた人」を、引き留める術は無いのだと思います。

ということは、「辞めたい、辞めるんだ」と言いながらも、続ける可能性が心のどこかに残っている人や、続けるための方策を考えている人や、もしも続けるなら……と少しでも考える人は、「完全に辞める気持ちを固めた人」ではないのです。その人には、現状に留まり、そこに何かを積み重ねる可能性が残っています。完全に辞める気持ちを固めた人に、「絶対やめるけど、でももしも続けるとしたら……」という思想はありません。

今、辞めようかと思っている人は、自分は「完全に辞める気持ちを固めた人」なのかどうか見極めてみましょう。そして、「完全に固まっている」と断定できたら、飛び立ってください。新天地がきっとどこかにあります。
自分には、気持ちに固まっていない部分があると思ったら、今いる場所でまだ頑張ることができます。踏みとどまって頑張るのと、新天地を求めて行くのと、どちらが自分らしいのか、どちらに自分は価値を見出していくのかを、じっくりお考えください。

 

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