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花屋さんは、各店舗で特徴が全然違う


花屋さんは、各店舗で特徴が全然違う

花屋さんは、各店舗によって内容もカラーもぜんぜん違う

世間的には、花屋さんは、どこに勤めても、大体似たようなことをして、似たようなことを考えるんだろうと思われているのではないでしょうか。
しかし、実際のところ、花屋さんの業務は、各店舗によってかなり異なり、商売の仕方や考え方もそれぞれ違います

管理人は、今までに複数の店に勤め、現在も複数の店に業者として出入りしている身ですが、各店で本当に違いがあり、「そっくりな店」はありません。
そんなわけで、本当は、花屋さんをタイプで分けることは難しいのですが、この記事では、大雑把に花屋さんをタイプ別にして紹介してみようと思います。

ここで示すことができるのは、あくまでも、「大体の分類」ですので、真の意味での「どんな店か」は、それこそ各店に入ってみないとわかりません。商売として、こういうパターンがあるんだな、という程度の参考にしてください。

 

花屋さんにを分類してみました

まずは、業務形態で、以下のように分類してみました。(あくまで大雑把な分類です)

【1】町の花束花屋……店頭売りの花束・アレンジメントが主な商品
【2】繁華街の花束花屋……駅ビル花屋、デパート花屋などもこれに入ります。1に近いですが、1より単価が高いことが多いです
【3】水商売系花屋……水商売関係の得意先を多く持っていて、生けこみや、祝い花で大口の注文を多く取れる店
【4】園芸商品豊富店……切花もあるけど、園芸商品の方が充実している店
【5】お稽古花屋……いけばな教室やフラワーアレンジメント教室の花材調達が多い店
【6】仏束花屋……近所に大型の霊園があり、仏束だけでもそこそこ稼げる店
【7】葬儀花屋……葬儀屋と提携していて、葬儀関係の仕事が主
【8】結婚式場花屋……結婚式場と提携していて、結婚式やそれに付随する装花の仕事が主
【9】病院花屋……病院内や病院の向かいに店舗を持ち、お見舞い花だけで経営が成り立ってしまう店
【10】胡蝶蘭花屋……儲けの9割くらいを、胡蝶蘭が稼ぎ出している店
【11】ネット主流花屋……実店舗よりも、ネットショップを充実させて、発送商品を主にしている店

多くの花屋は、上のような分類の「混合型」です。たとえば、1と2の混合とか、1と4とか、1と7と8、などです。どれが主力の商品になるかで、業務は大分変わってきます。

花屋の場合、
「自分が勤めた花屋は、1に見えたけど実際は7だったんだな」
というように、外から見える店と実情が違う場合があり、それを店に入ってから知ることがあります。「1に見えたけど、完全に5」とか、「4はオーナーの道楽で、稼いでいるのは8」とか、「意外にも店の裏で11の10をやってた」等々、色々あるものです。(別に隠しているわけではありません。外からは分からないだけです)
なので、入ってから、
「好きなタイプの店じゃなかった」
とか、
「できると思っていた業務が、全然できない店だった」
ということが起こり得ます。

そのような、予期せぬ「方向性の違い」を好まない人は、面接のときによく確認すると良いでしょう。(私は選り好みしない方なので、その店のあり方に自分が合わせに行きます)


忙しい時間・忙しい時期・忙しさの種類は、各店で違う

私の以前勤めていた店は、駅前なのに暇な店で、一日に2人しかお客さんが来なかった日もありました。店長と二人で座って、わざとものすごく凝ったアレンジメントを作って時間をつぶした覚えがあります。
また、別の店では、「忙しいので、基本的に昼食はとれないと思ってくれ」と言われ、実際にそうだったこともありました。その店では、1日に11時間ほども働いていましたが、座れる機会は、水揚げ作業のときに床に膝を付くときと、トイレだけでした。

上に書いた二店からは、私はほぼ同じ時給を貰っていましたが、「忙しさ」ではこのように大きな違いがありました。
別の業種でも同じことかと思いますが、忙しい時間帯や、どのくらい忙しいかは、完全にその店によって違います。

私が就業した数店の中でさえ、朝の方が忙しい店・昼過ぎが忙しい店・アフター5が忙しい店などに分かれます。母の日ならどこでも忙しいだろうと思いきや、母の日商品は売らないから忙しくない、という店もあったのです。また、何に忙しいかも違うもので、水揚げに忙殺される店もあれば、商品づくりに追われる店もあります。花屋も多様であると知ってください。

なので、ある人が「花屋でバイトしたけど、やること少なくて楽だったよ」と言ったとしても、どこでもそうだろうと信じて気楽に応募するのはやめた方が良いです。また、「あの店は、何となく暇そうだ」と思って応募するのも、あまりおすすめしません。なぜなら、何店舗か経験している私でも、「見かけによらず忙しいな!」と思うことがあるからです。(見た目どおり暇な店も確かにあります)

基本的に、「花屋は忙しいもの」と思い、「忙しくても、頑張ってやろう」と思える人が応募するのがよいと思います。


客層も、各店で違う

住宅街の花屋と、繁華街の花屋では、お客層が全然違います。都会か、田舎かでも、相当違います。一つの町でも、駅に近いか、町外れにあるかで、大いに違います。

お客層が違うA店とB店では、売れ筋商品も接客トークも異なり、A店のスキルがB店では役に立たないことなど、よくあることです。(花屋が人を採用するときに、「経験者でも、来てもらってみないと役に立つのかどうか分からない」というのは、こういうことがあるからです)

また、お客層は、主たる扱い商品が異なる店(たとえば、仏束花屋とお稽古花屋)では当然のように違い、トークのスピードまで異なるくらいです。
値段帯によっても、お客層は別れ、1万円くらい出すお客が多い店と、せいぜい3,000円くらいが上限のお客が多い店では、品物が違うので、商品知識も違ってきます。

このような違いがあるので、同じ町の、同じくらいの規模の店舗でも、店員に求められるスキルは相当違う、ということがあり得ます。


値段帯も、各店で違う

同じような町にある花屋が、同じような値段帯の花屋であるとは限りません。巷には、100円ショップも高級百貨店もあるように、花屋さんの値段設定もいろいろです。
単価の安い花を主にそろえる店もあれば、安い花に加えて少し高い花も置いてみる店もあり、積極的に高級花を置く店もあります。

値段帯が違うと、やはり店のカラーは違ってきますので、従業員に求められるものも違ってきます。自分が働く店は、どんなカラーなのか、素早く理解して空気を読むことも重要です。


理念も儲け方も、各店で違う

花屋の値段のつけ方や、仕事のとり方も、各店によって違います。大きな仕事をいくつか取るような仕事の仕方もあれば、薄利多売形式の店もあります。
店員を使う方法もそれぞれで違っていて、人を規則で律して儲けにつなげていく店もあれば、固いことは言わずに大らかにやることで儲けていく店もあります。

また、少額を落としてくれるお客さんも大事にしないとやっていけない店もありますし、少額の客などいなくてもいいと思っている店もあります(商売にプラスにならないお客さんを、うまく切り捨てられる商売人というのは存在します)。

新人の店員には、完璧な花束やアレンジメントが作れるようにならないと接客をやらせない店もあれば、うまく作れようが作れまいが、実戦で場数を踏ませて育てていく店もあります。
店員は店の指示通りにだけ動け、と言う店もあれば、それぞれの合理性でやって良いと言う店もあります。

このように多様な花屋さんの世界なので、ある店に合わなかったとしても、別の店に移ったら水を得た魚のように生き生きと働けることもあります。これは、少なくとも私の見た範囲では、「よくあること」と言えます。
もしも、花屋さんになるのが夢で、それをかなえるために頑張る気概があるのであれば、一つの店で「合わない」と思わずに、次のチャンスに挑んでいってもらいたいと思います。

 

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