花の仕事はどんな仕事につながる?
花の仕事から別の仕事へ……
花を一生の仕事にするとは限らない
人は、一つの業界の仕事で一生を過ごすとは限りません。
好きで入ったはずの花業界から別の業界へと飛び立っていく人もいれば、そもそも最初から花を一生の仕事にするつもりなど全くない人もいます。
学生アルバイトで花屋店員を選んだ人などは、その場限りの収入源と思っている人がほとんどでしょうから、やがては別の仕事に移っていくのは当然のことです。
そこで、花業界から別の業界に移った人の次の職に、決まった傾向はあるのか、ということを考えてみました。
管理人自身が直に見た人たちのデータから考えていますので、全国的な統計ではありませんが、なんとなく見えてきたものがあるので記しておこうと思います。
管理人の見た実例
管理人の見てきた「花屋から別の仕事へと移った人たち」の例を書きます。
◆会社員(一般事務から営業職、研究職などいろいろ)……学生アルバイトだった人は、やはりこの職になった人が多いです
◆派遣社員……私の見てきた人たちでは、主婦に「花屋アルバイト→派遣社員」が多いです
◆飲食店経営……結構います
◆飲食店勤務……結構います
◆結婚式場勤務
◆花市場勤務
◆アーティフィシャルフラワー装飾業
◆陶芸家(正確にいうと「陶芸家見習い」。陶芸家として独立したのかどうかは分かりません)
◆雑貨屋店員
◆文房具屋店員
↑明らかに、「花屋業務と通ずるものがある職だな」と分かる仕事に移っている例が複数あります。
(業種を問わないのであれば、「家業を継ぐ or 家業の手伝い」というものも多いです)
「次の職」の傾向のようなもの
上の項の最期にも書きましたが、どうやら「花屋業務と何らかのかかわりがあるように見える」仕事に移っている人は、ちらほら見受けられます。
それが、もともとその人の好きな方向なのか、花屋を一度経験したためにその方向を向くようになったのか、それは分からないです。
上の項のリストからは、
◆接客業が多い
◆店舗にかかわる仕事が多い
◆「花」や「装飾」や、「美しいもの、かわいいもの」にかかわる仕事が多い
などが感じられます。
つまり、元花屋さんは、「店」「接客」「何らかのきれいなもの」のうちのどれか(もしくは複数)が含まれる仕事に就いていることが多い、ということが読み取れます(あくまでも、私の直接見てきた範囲ですが)。
このことは、花屋で働いた人が、どんなスキルを育てられるのか、ということを示しているのではないでしょうか。
花屋で積めるスキルは……
上の項の考えを先に進めてみます。
「花屋業務で育てられると思われるスキル」について考えてみますと、以下のようなものが挙げられます。
◆接客技術(聴取技術が必要)
◆商品(生花・鉢もの)の知識
◆ラッピング技術
◆物を気持ちよく配置する技術(装飾業務と店舗展示で培われる)
◆商売のセンス(勤める花屋の規模や業務内容により異なるが、「一般的な商売の何たるか」「個人商店の経営の理解」「売れるものを発見する目」「世間の空気に商売で乗っていく勘」「失敗に懲りない姿勢」「手堅さと冒険心のバランス」など、いろいろある)
↑これらのスキルを持って次の仕事を探すと、管理人の見た実例のような職につくことになる……ということかと思われます。
花屋で嫌だったことを避けた結果、も有り得る
花屋で得られたものが、いつでも次の仕事につながるとは限りません。花屋で「これは二度と嫌だ」と思ったことが、次の職を選ぶきかっけになることもあるでしょう。
花屋業務で、スタッフのストレスになることは、
◆給料が安い(現実的に続けられなくなる大きな要因です)
◆寒い(これで体を壊す人がいます)
◆力仕事がキツイ(ほとんどの花屋は、首か背中か腰を痛めています)
◆在庫管理が大変(ほとんどが長期保存できない商品です)
↑などがあります。
これらのことを避けようとすると、世間の平均的な給料をもらえる会社員になってデスクワークや、すぐ枯れたりしない商品を扱う道に向かっていくことになるのではないでしょうか。
花業界にとどまる人も、とどまらない人も、コレを頑張っておこう!
私自身は、花屋で体を壊した人もたくさん見ましたし、気持ち的にボロボロになってやめていった人も見ました。なので、花屋のことをすべて忘れて飛び立って行っても良いではないかと思う派です。
しかし、元花屋さんたちに、どうやら「店」「接客」「何らかのきれいなもの」と縁を切れない人が多い現状は、結局それが花屋さんにとって、仕事人としての財産を形成するのではないかと思うのです。
せめて、花屋さんでいる間には、
◆店舗を持って商売することの何たるかを知る
◆接客技術を持つ
◆美しい or 可愛いものとのかかわる
↑上記の三つは自分の栄養になるものとして、可能な限り手に入れておくのが後々お得だと考えます。
花屋ではない、もっと自分にふさわしい場所でも、きっとそれが活用できるでしょう。