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個人のフラワー講師の花材仕入れ方法……花屋・花市場・東京堂などを活用する


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レッスン用花材を仕入れる

フラワー講師のための、花材調達の方法を紹介します。
単に、安くて良い花を店頭買いする方法というよりも、レッスン花材を継続して仕入れるための花材屋選定ヒント集になっています。

※フラワーアレンジメント、プリザーブドフラワー、生け花など、各種の教室を想定した情報にしてみました
※ここに紹介されている方法以外にも、花材調達方法はあると思います。あくまでも、「参考」にどうぞ

 

プリザーブドフラワーの仕入れ……賢く、無駄なく花材調達しよう

プリザーブドフラワー花材は、講師が所属する団体で卸値段に近いような値段で花材を特別に分けてもらえるシステムがある場合がありますので、それが使えるならうまく活用しましょう。

そのようなシステムが無い場合は、東京堂などの資材屋・資材卸で、なんらかの形で一般より安い価格で仕入れていかないとやっていけません(あらためて言わなくても、プリザーブドフラワー関係の方はよく理解されているはずですが)。
多くの教室の生徒さんは、モノのグレードが同じなら、単純に1円でも安く済む方を喜ぶものです。ならば、講師も1円でも安く調達する方法を探しましょう。

【参考】仕入れに使えるプリザーブドフラワー花材ショップ

東京堂……各種フラワー資材の卸。管理人も会員になっています。年会費がかかるので、年会費を払っても得になる方は登録すると良いと思います(ほとんどの人は、1回~ほんの数回の買い物で得になります)

はなどんやアソシエ……とにかく商品の数が多く、幅広い。ここで買えない物は無いくらいです。しかも、小口で買えるので、小さな教室の先生にはありがたいです。会員登録が必要ですが、無料ですし、簡単な情報の入力で済みます。どうしても会員登録に抵抗のあるかたは、楽天市場店を利用するといいです→花材通販はなどんやアソシエ

プリザーブドフラワー花材アミファ……会員登録しなくても、卸値段で購入できます

管理人の場合

私は、プリザーブド花材の調達は、ほとんど東京堂です。私にとっては東京堂は足場が良いので、店舗で現物を見て買います。カタログから買うことはほとんどありません。
webショップでは、最近は花材通販はなどんやアソシエを主に使っています。


 

生花の仕入れ……優秀なレッスン花屋を見つけよう

生花を仕入れる教室で、一番理想なのは、

「近所の花屋さんで、花が安くて新鮮で、センスも良く、フラワー教室への納品経験をある程度持っていて、こちらの意向をよく汲み取ってくれる店を見つける」

というものですが、なかなかそううまくいくものではありません。

しかし、花の教室を開こうと思う人は、近所に「上得意になっていて、懇意になっている花屋さん」がすでにあったりするものです。
もしくは、近隣の、タイプ別の花屋の分布を把握していることも多いはずです。それらを元に、「あそこがいいのではいか」という店にあたりを付けます。

または、すでに教室を持っている人が身近にいれば、「お花はどこから取っていますか?」と聞いてみるのも一つの方法です。この方法は、「あそこだけはやめた方が良い」という情報も入手できますので、なかなか役に立つ方法です。

また、店頭に個人のフラワー教室の告知が出ている花屋さんは、確実にその教室に納品していますので、そういう花屋さんを探して近所を歩いてみるのもいいでしょう。

仕入れ候補店が挙がってきたら、まずはお店に行って、一回目のレッスンの花材を買ってみましょう。買い方はいくつかありますので、下記を参考にしてみてください。

方法1……レッスン用だとは言わずに、普通のお客さんとして買う

特に、花のレッスン用とは言わずに、「ガーベラ何本と、カーネーションと……」というように花を買います。
「レッスンだ」と言わない理由は、最初からこちらの状況を詳しく説明してしまうと、後で「よその花屋さんにしよう」と思ったときに、移り難くなる場合があるからです(移るのに抵抗が無い人は、この方法でなくて良いです)。

また、恥ずかしがり屋の人は、「花をやってます(フラワーアレンジでも、いけばなでも)」ということ自体、羞恥の念で言えない、ということがあります(この感覚がわからない人は、この項は関係ないです)。そのようなときにも、この方法を使いましょう。ある程度慣れて、しっかりと「この花屋さんにこれからも頼もう」と思ったときに、徐々に自分の状況を申告していけばいいことです。

※全体的に、遠慮深い人向きの方法です

方法2……「レッスン用だ」と申告して買う

上の「方法1」のように、すべてを内緒にはせず、「レッスン用だ」ということだけは申告します。すると、向こうから、
「珍しい葉ものが入ってます」
「メインの花は3本以上欲しいですよね、値段的にこのあたりになりますが」
など、積極的な情報をくれるようになり、「方法1」よりも相当買いやすくなります。

しかし、自分は教える側なのか、教わる側なのか、また決まった稽古日があるのか無いのかも明らかにしていないので、よその花屋さんへ移る可能性が高い場合には、「将来、気まずい思いをしないですむ」というメリットがあります。

方法3……自分が教えるレッスン用だと申告して買う

花屋さんは、「講師の先生だ」と分かると、

「1セットいくらくらいで組みたいのか」
「どんなレッスンをするのか」

など、具体的な質問をしてきます。「方法2」の場合よりも、さらに現実的で詳しい内容の話ができることになります。
結果的に、「方法2」の場合よりも、花の取り合わせも工夫してもらえ、場合によっては大幅なおまけをしてもらえることもありますので、本格的な教室展開を考えている場合には、「方法1」や「方法2」よりも、このくらい踏み込んだ関係から入っていく方がいいです。

方法4……自分が教えるレッスン用花材を、これからずっと任せたいと明確にお願いする

「この花屋に決めて、教室の告知もどんどんさせてもらおう」と思い決めた花屋さんがあるなら、この方法が一番いいです(良いレッスン花屋さんを見極める目が必要ですが)。

たとえ、生徒さんが1人や2人だったとしても、花屋さんは、
「月に何セットかの買い物を必ずしてくれる先生だ」
と思えば、大事なお客さんだと考えます。レッスンの日にちにあわせて、仕入れを考えてくれたりもするので、レッスンの曜日が決まっていれば、必ず申告しましょう。

花屋さんと、フラワー教室の先生の間には、普通のお店とお客の間柄とは少し違った仲間意識が生まれることがあります。「この先生は、お客だけど、同志みたいなものだ」と思ってもらえた講師は、結果的によい品物を納品してもらえ、花業界の最新情報ももらえ、場合によっては生徒さんや出稽古先の紹介をしてもらえることもあり、講師活動を楽しめることが多いです。
そのような関係を結ぶには、最初から「継続した納品を、ぜひとも貴店に任せたい」との意向を明らかにすることが大いに役に立つでしょう。

方法は、上記の4つだけではない

上記の4つの方法よりも、もっと営業的に優れた「レッスン花屋さがし」の方法もあると思いますし、講師自身の個性により、お店の開拓方法は色々ですので、あくまでも「参考」と考えてください。
元々、親族や、知人関係に花屋さんがいる場合には、その人脈を積極的に活用することをオススメします。


 

枝モノを扱う店の見つけ方

いけばなの花材には、やはり枝モノが必要です。しかし、最近の町の花屋さんでは、枝モノを買うことは、昔と比べると格段に難しくなっています。なので、「良い枝モノを入れる腕を持っている花屋さん」を、うまく探さなければなりません。

もしも、近所でいけばな教室を開いている知人がいるなら、その人に聞いてみるのが早道です。そのような知り合いがいない場合は、下のような方法で、枝ものを買える店を探しましょう。

いつも枝ものを置いている店を探す

自分の知っている範囲で、枝モノを豊富に置いている花屋さんをピックアップします。
自宅の周囲には、そのような店は無い、と思っても、もう一度近所の花屋さんの視察に行ってみましょう。そして、店の隅や、レジの奥などに、枝モノが置いていないか見てみましょう。場合によっては、新聞で巻かれた状態で置いてありますので、見逃さないようにしましょう。
このようにして、候補の花屋さんを見つけたら、上の章で説明したように、花材を買って試してみます。

本当は、教室を開く前から枝モノのある花屋さんをウォッチしておき、枝モノの仕入れバリエーションが豊富かどうか見極められると一番いいです。
たとえば、私の家の近所にある花屋さんがそうなのですが、大体いつでも同じ種類の枝モノしか置いていません(私は、その店は稽古場用に使っていません)。そして、夏場は枝モノを入荷しなくなります。 そのようなお店だと、稽古で枝を扱う面白みが味わえなくなりますので、少なくとも一ヶ月の稽古で枝モノがかぶることがないような入荷をしてくれるお店を見つけられるといいです。

枝を全く置いていない花屋に、可能性を探す

普段、枝ものを全く置いていない花屋でも、ちょっと面白い花材・珍しい花材をよく置いている店なら、敬遠せずに「仕入れ交渉」してみる価値がある場合があります。「お稽古に使ってただけるなら、枝モノ仕入れましょう」と言ってもらえる可能性が有るからです。品揃えが自分の好みに合う店なら、断られることも想定したうえで、お店に行って相談してみましょう。(※ちょっと面白い花をよく置いている店=熱心な仕入れさんがいる店です)

どんな花屋でも、枝ものを入れてくれる可能性はある

「近所には枝モノを入れてくれそうなお店は一軒も見当たらない」と思っても、がっかりするのはまだ早いです。
また、「1ハイや2ハイのお稽古花はお受けしない」と言われた場合も、落ち込むことはありません。

実は、花屋さんは、枝モノの競りに入らなくても、花屋仲間から、「お稽古一ハイ分だけ分けてもらう」という方法で、枝モノを仕入れることもできるのです。なので、「せっかく舞い込んできたお稽古花の注文を断りたくない」と思う店は、小口であろうが枝モノを確保しに動くはずです。

つまり、「一見枝モノを入荷しなさそうな店」にも交渉の余地はあるし、一軒のお店に小口を理由に断られたとしても、ほかの店にも同じ理由で断られるとは限らないと思うべきなのです。

本当に身近を探し回って、一軒も使える店が見つからないなど、私には信じられません。頑張って探せば必ずあると思ってください。

「小口お断り」と言われた場合、始めたばかりの小さな教室の先生が、みじめな思いをしてトラウマになる気持ちもよく分かります。しかし、花屋の商売は、店によって考えもさまざまです。
お稽古1ハイ分を頼むのは、非常識な買い物ではありません! そこで退却してはダメです。次の店に行って、堂々と交渉してください。


 

素人でも、自ら花市場に仕入れに行くこともできる

本職の花屋さんでなくても、花市場で花を買うことはできます。

もしも、ある程度まとまった量の花材を仕入れたいときに、花市場に出向くのが苦にならないのであれば、花市場から花材を買うことも選択肢に入ってきます。
「ある程度まとまった量」とはどのくらいかと言うと……私なら、20人分くらいまとまったら考えるかと思います。
しかし、もっと少ない人数、たとえば5人分くらいでも、花市場で買うことはできます。
 ただし、
「5人分くらいを、うまくロス無く買えるか」
「そのために市場まで出向く価値があるのか」
などを考えて、きちんとメリットがあると思えるかどうかを見極めるべきです。(私の場合、5人分の花材のために、大田市場まで行くメリットはあまりありません。もしも、市場までもっと近ければ、一度やってみるもしれません)

本当に、市場に仕入れに行くのであれば、本職の花屋でない人は、「一般」の入場ですので、競りには入れません。しかし、魚市場などがそうであるように、一般入場でも買えるところはあります。

一度も入ったことがない市場や、数年入っていない市場に「一般」で行くときは、事前に一般入場が可能かどうかを確認した方が良いようです。なぜなら、一般入場が不可になることは、いつでもあり得るからです。

ここまで読んで、
「市場で買えるなら、その方が良い」
「自分の教室にはメリットが大きい」
と思える人は、市場での購入にチャレンジしてみてください。
もしも、個人事業主として、花のいけこみ仕事も生業にしようと思う人は、最初から買出し人証を持ち、ただの買い物ではなく、「購入実績を積みに行く」という意識を持って入場することをおすすめします。

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