HOME > その他 花関係の仕事 > 海外で花の仕事をする

海外で花の仕事をする


海外で花の仕事をする

海外で花の仕事をするには、どんな方法がある?

海外で仕事をしている日本人は、もはや珍しくありません。花の世界では、一般企業ほどではありませんが、やはり昔と比べると海外で仕事をする人、海外就業の機会は、明らかに増えています。
個人的には、海外渡航が容易になったこと、留学がかなり一般的になったこと、花の仕事を時間や労力を注ぐ価値のあるものと捉える人が増えたことがその要因と思います。

しかし、花のために外国で生活することは、思い切りのいることに変わりないはずです。また、実行するには知っておかなければならないことも多数あります。

この記事では、海外で花の仕事をするにはどのような方法があるのか、どんな可能性が見出せるのか、実現するために何が必要なのか、などの情報を書いています。

 

 

海外で花仕事する目的は?

海外で花の仕事をする目的や期間は、できればはっきりさせておいた方が良いです。
例えば、

◆海外で花仕事の経験を積み、スキルを上げて帰国したい
◆海外で花仕事を得て、永住したい
◆見聞を広める意味で、海外の花仕事を短期間で良いので経験したい
◆本場の花仕事の現場を経験したい

等々、自分の方向性をはっきり決めておくと、のちの糧にしやすくなります。
しかし、

◆ファッション誌で見るような、おしゃれなフローリストで働けたら嬉しい
◆一度くらい、海外の花仕事が経験できたら楽しそう

というような、軽い気持ちや漠然とした気持ちで行くのも、本人が「楽しい経験、で終わっても良い」「キャリアになろうがなるまいが関係ない」と思っているなら問題ありません。
気を付けた方が良いのは、海外に夢を見すぎている人です。

「海外の花の現場の経験がある人間は、日本で珍重してもらえるはず」
「日本で修める技術よりも、海外で修める技術の方が、何ランクも上のはず」
「海外の花仕事の方が、日本の花仕事よりもやりがいが大きいに違いない」

↑などのことを、何のリサーチもしないで考えている人は、結局大した経験も積めずに海外生活を終わらせる結果になるかもしれません。海外渡航には費用も労力もかかりますので、悔いのない準備と選択をしましょう。(漠然と海外に打って出て、スムーズに大成功する人もいるでしょうが、そういう人は稀です)


 

 

海外で花の仕事をするには、どんな分野がある?

海外で花の仕事に就く場合、考えられる分野は、

【1】フラワーアレンジメント関連
【2】生け花関連
【3】ガーデニング関連
【4】農業(花生産)関連
【5】花の流通関連

などです。【5】以外は、技術の習得が必要な、実技系の仕事になります。上の【1】~【5】を、下にもう少し詳しく説明してみます。

フラワーアレンジメント関連

フラワーアーティストになる(難しいです)、フラワーアーティストのもとでスタッフになる、フラワースクールで働く(講師や助手として)、自身のフラワーアレンジメントの教室を持つ、花屋で働きフラワーアレンジの技術を生かす、などが考えられます。

生け花関連

海外を拠点とした華道家になる(今のところ前例は無さそうですが)、華道流派の海外スタッフになる(それだけで生活できる可能性は低いです)、スクールや自身の教室で華道講師になる(日本人講師は「本場の人間」なので喜ばれます)。
生け花の流派は、海外からも免状申請できる流が多いので、海外でも「ライセンス取得可」で教えられます。

ガーデニング関連

ガーデンデザイナー(非常に難しいです)、ガーデニング書籍の出版や講習会を受注、ガーデニング関連スクールで働く(講師や助手、スタッフとして)、園芸店や生花店に勤める、園芸関連企業に勤める、などがあります。

農業(花生産)関連

生花生産の農場で働く、花生産技術を開発している企業に勤める、など。

花の流通関連

花市場関連や、貿易関連です。

管理人がリアルに知っている実例

管理人が直接知っている人の実例も挙げておきます。(管理人自身には経験がありません)
私が知っているものは2例あります。

【1】イギリスのフラワースクールにディプロマを取りに留学し、スクールの紹介で花屋でアルバイトした
【2】いけばなの免状アリの人がワーキングホリデーで渡仏し、ホームステイ先のマダムから「花が好きなら、知り合いの花屋の手伝いに行ってもらえませんか? 人手不足なのに母の日が近づいていて困っている」と言われ、数日の手伝いのつもりで行ったら、そのまま帰国までアルバイトさせてもらえた


 

 

どの国で花の仕事をする?

花の仕事の人気国は?

花の仕事をしたい人の渡航先として人気があるのが、

アメリカ・ドイツ・アイルランド・オランダ・イギリス・フランス・韓国

などです。それぞれの国で、独自の流行や人気スタイルがあります。
このような「人気国」は、有名フラワーアーティストが一人出現すると、そのとたんに人気の順位が入れ替わることがありますので、数年で激変しているかもしれません。

渡航先は、自分なりに「なぜその国なのか」を説明できる場所に決める方が良いです。
自分の通うフラワースクールの本校がある国や、自分の尊敬するフラワーアーティストのいる国や、言葉が問題なく使える国や、日本から近いなど、できれば現実的な理由がある場所をお勧めしますが、「パリが大好きだからフランスに行く」というような、気持ちだけで決めることも、本人に抑えがたい衝動があるならそれで良いと思います。

どこの国でも良いと思っているなら……

海外であればどこの国でも良いと思っているなら、就労しやすい条件がある国を探して選べばよいでしょう。相手国のビザの制度(頻繁に変わります)や、経済状況、花業界の現状をきっちりと調べ、花の仕事のためにその国に行くことにメリットがある、と確信を持てる国を選ぶのが安全です。
ちなみに、一般的な海外就職の、人気国は(2021年現在)、

タイ、ベトナム、オーストラリア、ドイツ、アメリカ、インド、シンガポール

等です。


 

 

海外の花仕事には、どんな働き方がある?

主に、以下のような方法があります。

【1】ワーキングホリデー
【2】留学生の傍ら就労
【3】インターンシップ
【4】現地企業に就職
【5】海外転勤の見込める企業に就職
【6】海外で花起業
【7】家族に帯同した先で就労
【8】現地国籍の人と結婚して居住し、就労
【9】海外ボランティア


 

 

ワーキングホリデーで花仕事

※ワーキングホリデー制度は、各国によりルールが異なりますので、それぞれの国との間に結ばれたルールを必ず確認しましょう

ワーキングホリデーとは、協定を結んでいる相手国で、観光よりも長期にわたって滞在でき、その間生活しながら就労、就学することも、旅行するなどの休暇を楽しむこともできる制度です。文化交流や、国際的な相互理解を深める目的で創設されたものなので、年齢の若い人向けに、緩やかな条件で解放されています。

本来、就労のためのビザを取ることは簡単なことではないのですが、ワーキングホリデービザは、年齢制限・健康状態が良好であること・数十万程度の準備資金、などの条件(各国により異なります)をクリアすれば取得可能です。
基本的には1年間の滞在が許可され、就労制限も特にない国が多いです。

ワーキングホリデーで、滞在中に花仕事をするのであれば、花業界の忙しい時期などを、あらかじめリサーチしておき、その時期を狙って渡航すると良いです。
どこかにつとめるだけではなく、花の装飾技術や創作で、個人的に仕事の依頼を受けてお金を得ることも可能です。滞在している国の就労制限に違反しなければ問題ありません。

ワーキングホリデービザから就労ビザへ……

本気で現地で働く未来を求めているなら、ワーキングホリデービザで入国して働き始め、その後就労ビザに切り替えることも可能です。ただし、「可能」ではありますが「容易」ではありません。

上にも書いたように、就労ビザを取得すること自体が、簡単なことではないのです。就労ビザの発行は、条件に高いスキルや学歴が含まれ(国により異なります)、それを申請してくれる雇用先が必要です。
それでも、その国でたった一度しか過ごせない(ワーキングホリデービザでの入国は一度しかできません)ワーキングホリデーを、海外で働くことの突破口にしたいのであれば、最大限に活用しましょう。
仕事先は、就労ビザに結び付くところを選び、真面目に勤めて信用を勝ち取り、スキルの向上や人脈の構築に励みましょう。
職を得ることには、運やタイミングも大きな要素になります。これはチャンスだと思う可能性が目の前に現れたら、過たずにつかみ取りましょう。


 

 

留学生の傍ら花仕事

学生ビザで入国し、学びながら仕事もする、という方法です。
留学生は基本的に「学びに来ている人」なので、就労については制限があることが多く、アルバイト程度の働き方であると思ってください。国によってルールがかなり異なりますので、あらかじめよく確認しましょう。

語学留学しながら花系のアルバイトをする人もいるでしょうし、フラワースクールに通いながら花系のアルバイトをする人もいるでしょう。
フラワースクールに通うなら、スクールから花屋などのアルバイト先を紹介してもらえる可能性がありますので、相談してみると良いです。

学生ビザから就労ビザへ……

留学先で、そのまま仕事を見つけて滞在したい、という希望を持つ人もいると思います。
学生ビザで入国し、留学中に雇用先を見つけて契約すれば、就労ビザへの切り替えは可能ではあります。ただし、ビザ申請のスポンサーになってくれる雇い主を見つけなければならないので、容易とは言えません。

就労ビザを発行する条件は、各国でかなり違いがあります。最初から「留学先で仕事を得て暮らしていく」ビジョンを持っているなら、留学先がその夢をかなえやすい制度の国なのかどうかをよく考えておきましょう。
また、就労ビザのルールは、非常に変更が多いので(そのときの国内情勢によるのです)、思わぬ制度改正もあり得ると思っておきましょう。


 

 

インターンシップで花仕事

インターンシップとは、職業経験として働くことです。「経験を積む」ために、無給、あるいは一般よりも安い給料(相当安いと思ってください)で雇われます。
花業界には、インターンシップ制度を導入しているところは少なく、一般企業よりも探すのに苦労する可能性が高いですが、無いわけではありません。(例:インターンスタイル フラワーアレンジメント

海外インターンシップに必要なビザは、各国により、また就労の仕方により異なります。学生ビザで良いこともありますし、ワーキングホリデービザで良いことも有りますし、就労ビザが必要なことも、インターンシップ用のビザがある国もあります。どんなビザで入国するかにより、期間や、有給・無給かも異なりますので、それぞれのケースで確認してください。

インターンシップは、そもそもは学生に職業経験をつけるためのものなので、就業未経験で働けることが多いのですが、中には「就業経験あり」が条件になっているところもあります。
花業界でインターンシップを受け入れてくれる可能性があるのは、生花店、園芸店、フラワースクール、個人のフラワーアーティスト、花関連企業、などです。

インターンシップの就労先は、自分で見つけることもできますが、斡旋業者に頼むこともできます。


 

 

現地の花関連企業に就職

花関連の企業、たとえば、

花屋、フラワースクール、個人のフラワーアーティストの事務所、花の流通や種苗開発関連の企業、

などに就職活動して、雇用先を決め、雇用先企業にビザを取ってもらって就労します。


 

 

海外転勤の見込める花関連企業に就職

海外に拠点のある日本の花関連企業に勤め、海外勤務の機会を得る方法です。
ただし、必ず海外勤務を命じられるとも限らないので、どうしても海外勤務したければ、入社前に詳しくリサーチし、入社後は海外に送られる人材にふさわしいスキルを身に着けてアピールし、自ら海外転勤の希望を出すなどして道を開きましょう。

海外に拠点のある花企業としては、種苗開発系・貿易系・花の素材制作系(加工花の工場を海外に持っている企業など)などが考えられます。また、数は少ないと思いますが、海外に本拠地があるフラワースクールに就職して本社転出を狙うとか、日本のフラワースクールでも、一線級の講師になれば海外派遣される道があるかもしれません。


 

 

海外で花起業

※非常にハードルが高いです

海外を拠点にして、自ら起業する、という方法ですが、どこの国で起業するのか、どんな内容で起業するのかをよくよく考えて着手するべきです。各国でビザを取るのに必要な条件は異なり、現地で成功するビジネス像も異なります。

起業の意思を持っている人は、はっきりと「これで起業しよう」という確固としたものがあるはずで、「なんとなく、海外で起業してみたい」という考えの人はいないと思いますが、もしそのような漠然としたことを考えているなら、とりあえずビザに関する決まり事について一度調べてみることをお勧めします。


 

 

家族に帯同した先で花仕事に就労

家族の海外転勤について行く場合(海外駐在員の妻、などの身分です)、転勤する本人以外のビザでは、就労不可のことが多いです。しかし、就労可能な国もありますので、「配偶者の転勤に帯同し、現地で花の仕事をする」ということは不可能ではありません。

ただし、相手先国が「許可」でも、社員を派遣する会社の側が「家族の就労は不許可」の場合があるので、必ず確認しましょう。


 

 

現地国籍の人と結婚して居住し、花仕事

現地の国の人と結婚して、その国にパートナービザを取って住み、花の仕事をする方法です。そのまま永住権を取って、その国で生涯花の仕事をして過ごすことにもつなげやすいです。


 

 

花の海外ボランティア

海外青年協力隊やシニア協力隊に、「花の講師」で参加することができます。または、NGOでも可能性があるでしょう。

海外協力隊には、文化交流の目的で、いけばなの先生が参加することもあります。また、花以外の技能(語学や、IT技術、医療技術など)で採用されて参加し、メインはその技能で仕事をして、現地の人とふれあいを楽しむときに花関連のことでも(いけばなやフラワーアレンジメントができる、ガーデニング技術で何か育てる、など)喜んでもらえたら……ということもできるでしょう。

海外協力隊は、基本的には語学が必要とされます。また、長期の参加をするときには、事前に家族に対してや仕事上の根回しが重要になります(なんのしがらみも無い人は別ですが)。フリーの花の先生などは、派遣先で充実した時間を過ごしても、帰国したら本来の自分の仕事が無くなっていた、ということになりかねません。
つまり、遊び半分で参加すべきではありません。意義深い仕事に赴くのだと思い、計画的に参加しましょう。


 

 

海外の花仕事の探し方

仕事の探し方は、
ネット、フリーペーパー、知人の紹介、スクールの紹介、飛び込みで交渉、
などがあります。

ネットで探すなら……

ネットで探すなら、求人サイトや掲示板サイト、クラシファイドサイト、リンクドイン、現地の日本人会のサイト、エージェント企業などを活用します。

最も情報が豊富で確実なのは、現地の求人サイトです。これはもちろん現地の言葉で探すことになりますが、どうしても日本語で探したいなら、日本語の海外求人サイトでも探せます(例 アメリカ 求人)。
リンクドインやクラシファイドサイトに自分から職を求める投稿をするなら、現地の言葉で投稿します。

海外赴任できる日本企業に就職するなら、「海外転勤」「海外赴任」のワードを重視して検索し、海外に転勤できる可能性がどれほどのものかリサーチしましょう。

エージェントの利用

海外就労を探してくれるエージェント会社は多数あります。(基本的にはネットで使えます)
エージェントに頼むと、手数料が余計にかかりますが、個人では探せない仕事を斡旋してもらえたり、現地のビジネスの慣習や、未経験者にはわかりにくい制度上のことを相談できるなどのメリットがあります。
なによりも、海外就労に不安の念が大きい人には、「専門家がついていてくれる」安心感が支えになります。

エージェントを頼むなら、自分の希望を率直に伝えましょう。迷っている部分は「迷っている」と伝えた方が良いです。
花仕事を希望していて、それ以外はしたくない、という希望であっても、まずはまっすぐにそれを伝えましょう。

ピンポイントで「花仕事」を指定すれば、間口が圧倒的に狭くなります。しかし、どうしても花仕事だけを探してほしいなら、それを譲る必要はありません。
花仕事よりも、海外渡航・海外就労することそのものが自分にとって重要なら、どこかで「花仕事のみ」の条件はあきらめても良いでしょう。その方が自分の人生のためであれば、そうするべきです。

利用するエージェントは、海外に拠点を持っている会社の方が、持っている求人件数が多いです。自分の渡航先国に拠点を構えているエージェントを選ぶのも良い方法です。

紹介で探す

アルバイトならば、これが一番確実という声のある方法です。
現地の人の紹介や、留学生先スクールの紹介で仕事を探します。

現地の人とは、例えば同じ学校の学生や、ホームステイ先のファミリーなどが考えられますが、あまりにも適当な相手の紹介だと、後悔することもあるかもしれませんので、信用できる人の紹介に応じるようにしましょう。
小さな花屋の求人などは、求人サイトにも出さないことが多いです。数少ない求人に出会うには、人の紹介は良い方法です。

留学先スクールの紹介は、学校がフラワースクールであれば一番容易に花仕事に就けるでしょう。語学学校などでは、花関連の求人と巡り合える機会はそう多くは無いはずです。

フリーペーパーで探す

現地のフリーペーパーに載っている求人情報を探します。
日本でもそうであるように、街中で配布されているフリーの求人誌をもらって読むか、日本人コミュニティが発行しているフリーペーパーを探してみましょう。
日本人会が出しているフリーペーパーであれば、日本語で書かれていますので、語学が得意でない場合には読みやすくて良いです。

飛び込みで交渉する

完全な飛び込みで「ここで働きたい」と交渉するか、募集告知ポスターがあるところを狙っていくか、二つの方法があります。
前者は、簡単に断られることを想定内にしておくべきで、断られるたびに落ち込んでいるようではだめです。自分は基本的に招かれざる客だと自覚しておきましょう。
後者は、向こうが「求職者に来てもらいたい」という意向を明らかにしているので、少し交渉がまとまる可能性が高くなりますが、これも「外国人は、そう簡単に雇ってもらえない」と思っておく方が良いです。

通りすがりに良さそうな就職先や募集告知ポスターにいつ出会うかわからないので、あらかじめ履歴書を作って持ち歩くと、役に立つこともあるでしょう。

仕事を探すときの注意点

海外で仕事を探すには、「外国人である」事実だけで雇ってもらえないことも多々ある、と理解しておきましょう。こちらの顔を見ただけで、断られることはあります。
面接にまでこぎつけても、一回や二回で交渉がまとまると考えるのは楽観的にすぎます。何十か所にも履歴書を持ち込んで、やっとどこかにやとわれるくらいだと想定しておきましょう。
(履歴書で重要なのは、職業履歴・ビザの種類・語学力です)

「あきらめの念を持て」と言っているのではありません。現実はそれほど厳しいのだと理解し、それを乗り越えるためには何か所断られてもあきらめない、何十か所でも、100か所でもトライする、というガッツを持って臨む方が良いと言っているのです。
強い自分を持ち、日本の就職活動よりももっと自分をアピールし、人より自分は優れているのだと伝えることができる人が勝つと思ってください。
もし嫌でなければ、日系人の経営する店や、なんらか「日本びいきだ」と分かる要素のある相手に交渉すると、まとまる可能性がアップするかもしれません。(外国のものに触れたいので、日本とかかわりの深い職場を選びたくない、と思う人にはすすめません)

日本でもそうであるように、花仕事(それ以外の仕事もそうであるらしいですが)は経験を重んじられます。日本のように、新人さんを手取り足取り教えてくれない方が普通とのことです。日本で花仕事の経験があれば、それを最大限にアピールしましょう。

これも、日本でもそうなのですが、花の資格はほぼ重視されません。特に、「日本の資格」は何の効力もない可能性が高いです。
フラワー装飾技能士を持っている人がフラワーアレンジ関連の仕事を求めるなら、「日本の国家資格だ」と強力にアピールすれば、「それは見どころがある人材だ」と思ってくれる相手がいるかもしれません。それ以外の資格は、推して知るべしです。
ただし、いけばなの免状持ちや、どの国のライセンスであれフラワーアレンジ関連の資格有りの人を求む、という現場には、資格はそれなりに効力を発揮します(でもそんな現場が少ないのです)。
特に、いけばなは日本が本場なので、「日本の華道家」を求めている現場があれば、もろ手を挙げて歓迎されるでしょう。


 

 

海外で花仕事するためのビザの問題

海外に滞在するためには、そして就労するためには、ビザをどうするのかが重要です。
海外で花の仕事をする人が取るビザの種類は、

学生ビザ、ワーキングホリデービザ、就労ビザ、インターンシップビザ、フリーランスビザ、芸術ビザ、パートナービザ

などがあります。
基本的に、学ぶことが含まれる学生ビザやワーキングホリデービザに比べて、仕事をするためのビザは取るのが簡単ではありません。なので、花を本業として海外渡航したいのでないなら、ワーキングホリデービザを活用するのが容易な道です。

ビザの取得、就労許可証の発行やその手順などは各国により異なり、取得にかかる時間も金額も違います。また、ビザは条件や期限など、制度が頻繁に変わるので注意が必要です。
漠然と「海外で花の仕事ができたら」と考えている人で、まだ具体的なことまで考えていない人は、とりあえず自分は何ビザで入国するべきなのかを、いろいろなサイトを見るなどして考えてみてください。
自分の置かれた状況や、自分のやりたいことの種類によって、渡航のスタイルが非常に限定されることもあるかと思います。そこから、夢を現実にする有効な一歩が見えてくるかもしれません。


 

 

最低限の事前準備

少なくとも以下のようなことは、最低限用意したり、調べたりしておきましょう。

●語学力を向上させる
●かかる費用を調べる
●保険やクレジットカードなどをどうするか決める
●必要なビザや労働許可証は何か、それらの申請に必要な書類は何か、ビザ取得にいくらかかるか、期限はいつまでか、などを調べる
●住居をどうするか
●リアルな経験談を実際に聞いたり、ネットで探して読んでおく


 

 

海外の花仕事経験は、帰国後のキャリアにつながるのか

海外で花の仕事をして、いずれ日本に帰ってきたときに、海外での経験は、どの程度評価されるものなのでしょうか?

それは、本人の事情による、ということになります。

本人が、海外で修めた技術やセンスを駆使して日本で仕事を始めたときに、「素晴らしい」と評価されれば、「さすが海外で経験を積んできた人だ」と言われます。
また、歴史の浅いフラワースクールなどで、海外とのパイプをこれから築こうとしているような団体は、「海外経験がある」というだけで、「頼りになる先生の一人」と認識してくれるかもしれません。

町の花屋さんの採用面接などでは、あまり効力を発揮しない可能性が高いです。大企業と言える規模の花屋だと、そのときに先方が「海外に強い人」を求めていたら有利になることもあるかもしれません。

要するに、「海外経験」を必要とする現場が近くにあるかどうか、海外で圧倒的なスキルアップを果たしたか、などによって、
「とても大きな評価を得る」ことも、
「そこそこの評価を得る」ことも、
「特に何も得ない」ことも、
色々ある、と言うことです。

海外の花の現場を経験したことが、即、大絶賛につながって自分を一流に押し上げる、疑う余地なく良い状況が開けていく、などと考えているのであれば、それは安易きわまる発想です。
海外で仕事をした、その事実をうまく使えなければ、遊びに行ったも同じです。最初から「遊びで全然かまいません」と思っている人は良いのですが、「海外で働く=すごい人になれる」の短絡思考で渡航する人は、おそらく自分の思いに裏切られることになります。(すごく稀に、短絡志向で成功する人がいます、が、あなたがそうとは限りません)



 

 

海外に住まなくても、海外で仕事ができることもある

海外に住まなくても、海外で仕事をする機会は無いわけではありません。

例えば、いけばな流派は、今や海外にも支部を持って世界的に活動しているところが多いのです。そういう流派の上位の先生になれば、海外に派遣されて各国で指導する、ということもあります。
また、海外のフラワーショーへの出演などは、日本から申し込んだり、海外からオファーを受けたりして出られます。
日本には、世界的に通用する種苗会社がいくつもあり、そのような企業に勤めても、営業などで海外に出向く機会はあるかもしれません。

本当に「ちょっと行ってみたいだけ」であれば、海外研修や海外出張で行けるのです。今どきは、世界は結構狭いものと考え、日本にいながら世界を相手にするという方法を探しても良いと思います。

そもそも、海外で仕事する必要は無いかもしれない

海外で花の仕事をすることをずっと書いてきましたが、最後に「そもそも日本で仕事するので十分すぎる」という見解についても書いておきます。

まず、いけばなに関しては、本場は日本です。なので、日本で学ぶことが最高であるはずなのです。
日本で学び、なおかつ見聞を広めて国際的なセンスも磨くために海外へ……ということは有益なことと個人的には思いますが、「日本の教室が、最高だしそれで十分」と言う考えも、また正しいのだと思います。

フラワーアレンジメントは、本場と言われているのはイギリスです。しかし、日本人の手先の器用さ、作業の慎重さ、枝を飾ることに親しんだ感覚などが世界的には評価されていて、イギリスから日本に花を学びに来る人さえいるのです。それなら、日本での花仕事は、かなり良い環境で仕事していることになるはずです。

種苗開発やガーデニングに関しても、日本は独自の技術を持っていて、何しろ作業の手際が良いので、日本人の仕事は信頼度が高いです。
……じゃあ、日本にいても良いじゃないか、と思うのか、広い世界に足を伸ばしていこうとするのかは、各人の見識によります。
自分の見識を信じられるのが、一番良いのではないでしょうか。

 

ページトップに戻る