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花を生ける仕事(=生け込みの仕事)でもらうクレーム


花を生ける仕事(=生け込みの仕事)でもらうクレーム

生け込みの仕事でよくあるクレームを挙げてみます。
生け込みは、個人よりも法人のお客様が多いので、いわゆるクレーマーのような、理不尽なクレームが入ることはあまりありません。そういう意味では、落ち着いて対応できる案件ばかりなのですが、相手も落ち着いて真面目に不満や納得できない点、改善してほしい点をを言っているので、全部かわして逃げ切るということはできません。
それぞれに、誠実に対応するべきものです。

この記事では、「こういうことを言われがち」ということを、例として挙げます。

 

 

目次 花を生ける仕事(=生け込みの仕事)でもらうクレーム

1.生け込みの仕事でもらうクレームの例
2.クレームばかりでは無いので安心して!


 

生け込みの仕事でもらうクレームの例

◆小さい ……この大きさでは話にならない、もっともっと大きく生けてください、というクレームは良くあります。大きさが大事な場所なら、長い枝ものを入れたり、なるべく長尺の花材を選ぶなどして対応します。(それなら最初からそう言ってくれ、と思いますが、依頼主は自分の予想の大きさが「普通」だと思っているので、特に大きくしてくれとは言ってくれないことが多々あります)

◆花の数が少ない ……上とほぼ同じようなクレームです。人は、自分の得になる方向に商品を予測するので、「これしか入ってないのか」という反応は、常に有り得ると思いましょう

◆地味 ……「もっと派手にしてくれ」という、これもよくあるクレームです(派手過ぎて困るというクレームは受けたことが無いです)。場所によって、シックな方がかっこいいのではないか、と思うような場合は、クライアントとの関係性によっては提案した方が良いです

◆(白っぽくすると)葬式みたい ……白と青系の花が入ったものは、以前はこのクレームが良くありました。ここ20年くらいは少なくなったクレームですが、今でも完全に無くなったわけではありません。「白×青もきれいですよ」と言える相手なら言って良いと思いますが、相手が嫌悪感を覚えている気配があったら引き下がる方が無難です

◆ヘタ ……シンプルに「あなたの花はヘタだ」という厳しい意見です。良い納品のために努力するという姿勢を見せて(もちろんポーズではなく、本当に努力します)、契約打ちきりを回避しましょう。本当はヘタではないのに、お客さんが「私は好きじゃない」という意味で「ヘタ」というワードを選んでいることもあるので、この言葉一つで立ち直れないほど落ち込む必要はありません

◆合わない ……うちにはあなたの作風が合わない、という意味で、実質上と同じ意見です。クライアントが「技術の問題」ではなく、「相性の問題」だと捉えるとこの表現になります

◆前の人はもっと良かった ……人と比べられて「だめだ」と言われているので、受ける側の心に厳しいクレームです。前の人の良い記憶を塗り替えるように頑張るしかありません

◆持たなかった、すぐ枯れた ……本当にこちらの落ち度で「持たなかった・枯れた」のであれば、謝罪しなければなりません。こちらの落ち度かどうか怪しい場合も、一度は謝り、持ちの良い花を入れるようにして様子を伺いましょう。もし、花を置く場所に「持たない・枯れる」要因があると思ったら、そのことを伝えましょう(店舗などは、暖房の風が直撃する場所に平気で置くことがあります)

◆枯れている(本当は枯れていないのに) ……もともと茶色い葉のもの、うつむき加減で咲く花などには、「元気ない花を入れられた」「枯れかかっている」と思われることがあります。本当に品物に問題が無いなら、その旨説明するべきです。そして、その手の品物に好印象を持たない相手だと思ったら、以降納品する花材の選択に気を付けるようにしましょう



 

クレームばかりでは無いので安心して!

クレームの例を挙げた後ではありますが、喜んでもらえること、ほめられることもある、ということを伝えたいと思います。
クレームが発生するということは、少なくとも納品した花を見ているということです。「花が挿してあれば何でもいい」という考えのクライアントには、本当に何も見ていない人もいるのです。

生け込みのクレームには、いわゆるクレーマー的な、ほとんど言いがかりのようなものは少ないです(私個人の経験から言うと、皆無です)。基本的に、「もっと良い納品してよ」という気持ちの表れです。その気持ちにかなう納品をこちらがすると、とてもストレートに「良い!」と伝えてくれることがあります。
こちらが、「この路線なら喜んでもらえるだろう」と狙った納品が喜ばれたときなどは、すべてが報われた気持ちになります。

 

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