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園芸店で働くには


園芸店で働くには

園芸店にはどんなタイプの店がある? 園芸店に就職するには? 園芸店の主な仕事は?

花屋と園芸店は、近いジャンルではありますが、全く同じものではありません。花屋については、こちら→花屋さんになる に独立したカテゴリを設けていますので、その近縁の仕事である園芸店の仕事にも触れることにします。

 

 

園芸店には、どんなタイプの店がある?

園芸店には、意外に様々なタイプがあります。下に、主なものを挙げてみます。

家庭向きなガーデニング苗物・鉢物が主な店

園芸店と聞いて、まず人が思い浮かべるのがこのタイプの店です。
比較的手軽に育てられるメジャーな苗物・鉢物や、そのときにガーデニング雑誌などで人気のあるような苗物・鉢物を並べ、安価な種類も置く。
ある程度の土や肥料もそろえる。
全くの素人の人が思い付きで来店した場合、最低限のものは買える程度の資材も置く。

そこに、店主の個性が少し乗って、ハーブの品ぞろえが良かったり、面白園芸雑貨が店の隅に置かれていたりというような、どこにでもあるタイプの園芸店です。

どこにでもある店、みんなが思い浮かべる店ということは、一番間口が広い店だということです。
素人さんにも分かりやすく、ガーデニング好きには共感を持って、商品や情報を提供したい人にはやりがいがあります。

ガーデニング苗物・大型の鉢物・大型のガーデニング用品を扱う店

上に書いたタイプの店の、もっと大型でもう少し専門性が高いタイプの店になります。

一般的な苗物はもちろん、ガーデニング好きな人なら「お!」と思うような品物もあり、小さな園芸店ではあまり扱わないような大型の鉢物もあり、庭づくりにも使えるような大型マテリアルもあり、好きな人でないと買わない高額商品もあり、という店です。

園芸にこだわって仕事をしたいなら、上の項のような一般的な店舗よりもやりがいが大きいかもしれません。

ホームセンターの園芸コーナー

街中の小さな園芸店よりも、ホームセンターの園芸コーナーの方が充実していることが多いです。
意外に、マニアも驚くような珍しい植物を入荷していることもあります。

温室ものの鉢や、造園資材などの扱いもしているところは、園芸関連の仕事をほぼ網羅できます。

道の駅の園芸コーナー

道の駅の園芸コーナーは、馬鹿にできません。園芸店ではなかなかそろわないラインナップを、安価に販売でき、売る側にも魅力が大きいです。

一般の園芸店よりも生産者との距離が近く、その土地ならではの園芸商品を多く扱えます。

スーパーの一角にある園芸店

店によりますが、ごく小さなスペースで、買い物ついでに買っていけるような小型~中型の苗物・鉢物を主に扱うところが多いです。それほど専門性が高い品物はあまり見かけません。

公園くらいの規模のある、苗物・鉢物大量店

郊外にあって、元植木屋だったような店が多いです。
都会の小さな公園くらいの大きさがあって、苗物・鉢物が大量に並び、園芸用品もたいていのものは裏にストックがあり、お客は車でやってくるか、ネットから注文してくる人が多い、というタイプの店です。

この手の店は、見て楽しむ目的で来る人もいて、園芸マニアにも愛されます。
よく売れて、品物の回転も速い店だと、商品知識が豊富になります。

専門店

一つのジャンルに特化した店舗です。例えば、山野草専門店、蘭専門店、観葉植物専門店などです。
特に「この植物の仕事をしたい」と言う希望があれば、その植物を扱う専門店に勤めることを考えても良いでしょう。

高級専門店

上に書いた「専門店」の中でも、特に高級な部類の店のことです。高級であり、マニアックでもあることが多いです。
その気になったいくらでも高級でマニアックなものがそろえられるジャンルの店が多く、例えば大型観葉の珍しいものばかり集めた店や、食虫植物の専門店、輸入に制限のある蘭の専門店などがあります。


 

 

園芸店に就職する

園芸店の店員は、社員よりもアルバイトの方が多いです。
花屋アルバイトの職探しと大いに共通するところがあるので、こちらのカテゴリ→花屋さんになる を参照ください。(社員になろうとしている人のための情報もあります)


 

 

園芸店の仕事内容

下のよう仕事が、主なものです。

商品展示

「商品展示」というと特別な展示のようですが、要するに店の苗物、鉢物を、店の前や内部に広げることです。
スペースの狭い都会の園芸店は、毎日の店じまいのときに、商品を店内にアクロバティックに収納します。それを、翌日開店のときにはうまく広げて見やすいように、売れやすいように店の内外に並べます。

水やり・施肥・商品メンテナンス

店にある苗物・鉢物に水をやり、肥料をやることと、枯れた葉を取り除いたりして商品の見た目を整えることです。

商品制作

園芸店の商品作りとは、

◆ポット苗を鉢に植え付ける
◆プラスチック鉢の商品を、陶器鉢に植え替える(つまり、より見栄えの良い鉢に作り替える)
◆鉢物の装飾(ラッピングや、リボンつけ、クリスマス風などのイベント用装飾)
◆寄せ植え・寄せ鉢の制作

などがあります。

接客

店頭でお客さんの応対をします。園芸店は、商品について質問をしてくるお客さんが多いです。

店頭ディスプレイを工夫する

季節によって推し商品を目立たせたり、イベントを意識して(例えばハロウィンやクリスマスなど)店頭装飾を変えたり、今よりももっと人目を惹き、売り上げが上がりそうな展示方法を考える、などのことです。

掃除

店の内外、店の裏の作業場などの掃除です。

配達・商品設置

大型商品やギフト商品の配達業務。
「商品設置」とは、大きさや重さにより、設置したい場所にお客自身の力で置くのが難しい商品を設置するところまでやる業務のこと(店によっては、設置までの面倒はみないところもあります)。

植え付け

(この業務はどの店でも受けるとは限りません)
苗物・鉢物を、植えに来てくれ、という依頼にこたえることです。
この依頼を受けるのは、よほど懇意なお客か、よほど高額商品が売れた場合などで、かなりイレギュラー業務です。この業務は全く受けない店もあります。

商品発送

鉢物の宅配発送業務です。宅配用の箱に入れて、必要ならラッピングもして発送します。
ギフトが増える時期、例えば母の日前・中元・歳暮の時期・クリスマス前などに増える業務です。
ギフト用の蘭やシクラメンを主に扱っている店などは、暮れには一日中宅配の箱詰めを行っていることもあります。

仕入れ

苗物・鉢物・資材を仕入れます。
苗物・鉢物は市場で、資材は資材卸で仕入れますが、市場で資材を買うこともあります。
仕入れは、品物を見誤ると大損することもあるので、入ったばかりの新人が、見よう見真似でできるような仕事ではありません。


 

 

業務に必要な知識

園芸店では、お客さんから品物について質問されることが多いです。なので、園芸の基本的なことは知っていないと、客さんと会話にならないことがあり得ます。

勤め始めてから勉強すれば間に合いますので、本当に基本的な知識は徐々に覚えましょう。

花の名前は、入荷したものから覚えるようにすれば大丈夫ではありますが、「ヒマワリ」「菊」「バラ」「百合」くらいの花がわからないようでは問題があります。常識程度の花は知っておくべきです。(マニアックなバラの名前も知っておけということではありません。「バラ」と聞いたときに、頭の中に何の絵も出てこないようでは困る、ということです)

更に、初心者ガーデナーでも知っているようなメジャーな肥料・薬剤、そのときのガーデニング界の流行なども徐々に把握していきましょう。

本気で知識を得たいのであれば、園芸関連の書籍・雑誌はいくらでもありますので、教材は無限にあります。


 

 

免許・資格は必要?

車の運転免許は持っていた方が良いです。
そのほかには、園芸店で働くのに持っておくべき資格は特にありません。持っていれば有利な資格さえも、現状では無いと言って良いです。

園芸関連の資格としては、園芸装飾技能士ガーデンコーディネーター園芸福祉士庭園管理士など、いろいろあるのですが、「これはぜひ取るべき」「これがあれば頼りになる」と言えるような資格はありません。
国家資格である園芸装飾技能士でさえ、持っていれば優遇されるということも、あまり無いと思われます(店主によっては高く評価して採用や重用につながることがあるかもしれませんが、それが一般的な反応ではないです)。

園芸店で働くために、資格を取らなければならない、という考え方はしなくて良いです。
もともと取りたいと思っていた資格を、園芸店で働くことを機に勉強し始めるとか、園芸に関する知識が皆無なのが心配だから何か勉強しよう、などの気持ちがあれば、資格取得を考えてみても良いでしょう。ただし、資格を取っても、それにあまり過剰な期待を持たない方が良いです。


 

 

園芸店の繁忙期は?

園芸店のタイプにより、繁忙期は異なります。下に挙げるのはごく一般的な、忙しくなりそうな時期です。

年度の変わり目……学校、会社などから鉢物・苗物の注文が入りやすい
母の日……カーネーションの鉢ものが大量に売れる。発送業務も増える
7月……お中元鉢物が売れる。発送業務も増える
12月……お歳暮鉢物が売れる。発送業務も増える
12月……クリスマス鉢物が売れる。発送業務がやや増える

 

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