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フラワーコーディネーターの仕事


フラワーコーディネーターの仕事

フラワーコーディネーターの仕事内容は?

フラワーコーディネーターとは、言葉のとおり、「フラワー=花」を、「コーディネート=調和するように組み合わせる」人です。

日本には、「フラワーコーディネーター」という名称の国家資格は無く、民間資格にも有名なものはありません。
よって、「花をうまく取り合わせることを職業にできるスキルがある人」がフラワーコーディネーターである、と考えても良いと思います。

実は、管理人自身も、名刺の肩書きに「フラワーコーディネーター」の文字を入れていますが、私の花のスキルは、いけばな以外は花屋店頭といけこみ業務の実践で手に入れたもので、フラワースクールなどには通っていないのです。
そのような人間でも、「フラワーコーディネーター」を名乗って、実際に仕事を取っています。この記事では、フラワーコーディネーターの仕事内容や、どうやって仕事をとる道ががあるのかなどを紹介します。
(※楽しいことばかりは書きません)

 

 

「フラワーコーディネーター」を名乗るには

上にも書いたように、現在の日本には、「フラワーコーディネーター」の名称で、資格らしい資格はありません。よって、フラワーをコーディネートできる、と自分で思ったら、それだけで名乗れます(私のように)。
しかし、誰でも名乗ることができるので、
「私はフラワーコーディネーターです」
と宣言しても、花業界の人は誰も感心してはくれません。

業界内で感心してもらいたければ、どんな業務経験を積んできたのか、どこで花修行したのか、という「フラワーコーディネーターとしての経験の内容」を高めることです。


 

 

【管理人の例】私は、いつフラワーコーディネーターと名乗り始めたか

私自身のことを言いますと、自分の名刺に「フラワーコーディネーター」と刷りはじめたのは、花屋修行で、

◆一通りのことは経験できた
◆単価10万円以上の仕事も経験した
◆どこかの店に守ってもらわなくても、一人で対応できることができるようになってきた

↑上記のように感じるようになってからです。あくまでも、私個人はこうだったというだけですので、漠然と「なんとなくフラワーコーディネーターを名乗れると思う」という理由で、名乗ってしまっても良いのだと思います。
その、自称したフラワーコーディネーターの肩書で、誰かに迷惑をかけることさえなければ、問題ないです


 

 

フラワーコーディネーターの仕事の始め方

フラワーコーディネーターを始めるのに、決まった道筋はありません。
ある人は、花屋でスキルを積んでから独立していき、ある人はフラワースクールを出ただけで開業し、ある人は趣味の花飾りを見込まれて自然に仕事が舞い込んできて……という具合です。
管理人自身の例で言うと、花屋で生け込み職人をしたのをきっかけに、生け込み仕事を自分で取りに行くようなり、生け込みの現場から声をかけてもらえるようになり、知事友人から花の仕事を頼まれたりするようになりました。

自分のセンス、技術、営業力だけで、経験もなしに起業するのも、素晴らしい選択だと思います。そのような選択をする人は、リスクもしっかり考慮に入れられているものと思います。
しかし、多くの人は、最初はやとわれの身分の方がリスクが少なく、気持ち的には楽に始められると思います。
(そのため、下の項に、フラワーコーディネーターの求人の一項を設けたのですが、決して「フラワーコーディネーターは、勤め人の方が良い」と言っているのではありません)


 

 

各種求人には、「フラワーコーディネーター募集」が乗ることもある

「フラワーコーディネーター募集」の文字は、求人広告でも見つけることができます。
ただし、件数は少ないですし(1件や2件程度です)、そこに応募が殺到しますので、相当な狭き門です。
応募経験がある人は分かると思いますが、1名募集のところに数十人集まることくらいはよくあります。花屋の求人のページにも「狭き門だ」と書きましたが、フラワーコーディネーター募集の方が、更に狭いと思ってください。なので、落ちてもがっかりすることはありません。採用には、大いに「運」も作用します。

今までに一度も応募経験が無い人は、とりあえず一回応募してみたら良いと思います。運よく受かればそれでよし、もしも落ちたとしても、それも経験です。
募集は求人誌にも載っていると思いますが、Webで見つけられるところを下記に紹介しておきます。

※募集はいつでもあるとは言えませんので、こまめにチェックすることをおすすめします。

バイトEX フラワーコーディネーター ……フラワーコーディネーターの仕事が、常時1~2件程度


 

 

花団体公式の求人ページ

私の知る限りでは、花団体の公式サイトでは、唯一FDA(フラワーデコレーター協会)に求人のページがあります。
いわゆるフラワーコーディネーター以外の仕事も含まれていますし、倍率も高いかと思いますが、他では見つからないタイプの仕事(海外の仕事など)もあるので、フラワーデコレーターの資格を持っている人は、チェックしてみる価値はあると思います。

Webで求人を出している団体はFDAしか知りませんが、「資格の母体組織」、つまり〇〇スクールや、〇〇流などの団体には、仕事を依頼できるスキルがあると判断された人には、それなりに仕事の紹介をしてくれることがあります(私にさえ、そのような仕事は何回か来ています)。そのような機会があれば、ぜひ大事にしてください。


 

 

フラワーコーディネーターの業務内容について

企業や店舗、または個人のお客さんが、フラワーコーディネーターに求めるものは様々です。
大企業が、世界的な広告の背景に花を飾って欲しいために一流のコーディネーターを求めることもありますし、一般生花店で、実質は「花屋スタッフ募集」でいいところを、「センスが良い人を集めたいな」というオーナーの意向で「フラワーコーディネーター求む」の広告文にすることもあります。

フラワーコーディネーターの求人募集でよくある業務の内容は、以下のようなものが多いです。

【1】ブライダル
【2】葬儀
【3】一般生花店でフラワーアレンジ等の製作

【3】のケースでは、就業してみたら店立ちや水揚げなどもやらされて、「実質、普通の花屋の店員」という場合がありますので、もしも「花をデザインすること以外の業務はしたくない」と思っているなら、面接の際によく確認しましょう。

求人で特に多いのは、上の【1】と【2】なのですが、やはり人気が高いのは【1】のブライダルです。ブライダルは楽しいアイデアを提案できますし、式の主役自身の意向を聞けますし、作るものも華やかです。
しかし、【2】の葬儀も、大きいものを請け負うと、ブライダルでは到底作れないような大モノの納品ができることもあります。大がかりなものを作りたいと思っているなら、ブライダルよりもむしろ葬儀がおすすめです。

【1】も【2】も、大型のアレンジ、少なくとも段花が作れるくらいでないと、現場で手も足も出ないと思います。ブライダルなら、各種ブーケとブートニアのスキルは必須です。
段花も、ブーケ・コサージも作ったことがないとなると相当厳しいですが、世の中には「未経験歓迎」のフラワーコーディネーター募集がわずかながらありますので、そこに応募してみると良いです。雇う側に、一から育ててくれる意向があるなら、現場に出ながら学んでいけます。


 

 

「経験者」でないとダメなのか

フラワーコーディネーターの仕事は、ほとんどが「経験者」の募集だと考えて良いと思います。(一般の生花店の求人も大体そうです)
また、「未経験可」となっていても、応募者の中に「経験あり」の人がいたら、「経験なし」の人に望みはほぼ無いと考えてください。(これも、一般生花店の求人と同じです)

重要なのは「何をもって経験とするのか」ということなのですが、花屋業務をしたことがある人なら、「経験アリ」と言って大丈夫だと思います。
求人の「応募資格」の項目に、たとえば「ブライダル装花の仕事を2年以上経験した人」のように詳しい指定があるなら別ですが、単に「経験者」ならば、業務として花を扱い、当然アレンジも花束も作れる「花屋経験者」はそれに含まれると思います。

「業務経験は無いが、製作経験はある」という場合でも、納品する自信があるなら「経験あり」として応募してみたらいいでしょう。フラワー専門学校を卒業した方などが、これにあたります。小さな花屋の店員よりも、フラワー専門学校の方が「大きなものを作る機会がある」という現実もあるくらいなのです。(フラワー専の皆さんは、これを読んで慢心してはいけません。本物の花屋スタッフは、小アレンジだけだったとしてもこなしている数が違い、何より手のスピードが違います)
面接で、「業務の経験は無いのに、経験ありと書いたのですか?」と言われるかもしれませんので、それは想定内で対応しましょう。面接で、「業務経験はないが、立派に業務をこなせる自信がある」とアピールするスキルがある人にお勧めしたい方法です。

さらに難しい方法になりますが、「経験者求む」に経験なしで応募してしまうこともできます。
大きい会社さん相手では、この方法ではほぼ相手にしてもらえませんが、個人経営の花屋さんが相手の場合など、うまくいくと何も言われずに採用されてしまうケースがあります。私は今までに何度も見ているのですが、応募資格を満たしていない応募者を、「なんとなく、良さそうだった」という理由で採るときがあるのです。自分は対象外と思わずに応募してみるのも、無駄ではないかもしれません。


 

 

フラワーコーディネーターは、コミュニケーション能力があった方が良い

ブライダルや、会場装花の仕事は、クライアントに「どういうイメージで」「いくらの予算で」という内容をヒアリングし、こちらからいろいろと提案して話を進める機会が多くあります。

なので、フラワーコーディネーターは、コミュニケーション能力は、あった方が絶対に良いです。すぐれたデザインができれば、ほかの能力はいらない、というものでもありません。


 

 

フラワーコーディネーターの収入は?

店舗や会社に所属するなら、花屋スタッフとそれほど変わらないことが多いです。それはつまり、一般的な給料の相場よりは低い収入である可能性が高いということです。それでも、正社員ならまだ良いですが、アルバイト扱いで、会場装花の仕事があるときににしか呼ばれないような形態で雇われると、月に一度も呼ばれないこともあるかもしれないという不安定さになります。

どこにも所属せず、まったく個人で「フラワーコーディネーター」を名乗って仕事を取るなら、その人の腕(製作スキル・営業スキル)で大きく異なり、およその金額を言うことさえできません。
完全なフリーのフラワーコーディネーターの専業は、よほどの自信や、たしかな見通しが無いなら、私には恐ろしくておすすめすることができません。せめて、兼業できる仕事を見つけておくのが良いのではないでしょうか。

フラワーコーディネーターで儲けたいと思うなら、業界で名を知られるほど有名になり、自分の名前にステータスを付けるのが、いっそ一番現実的な方法です。つまりは、非常に難しいです。でも、腕があるなら、決して不可能ではありません。


 

 

せっかく契約した仕事が気に入らなかったら

フラワーコーディネーターの仕事が手に入り、勇んで現場に入ったら、「こんなはずではなかった」という現実に対面することもきっとあるでしょう。
私も、随分と「仕事は選ぶべきだなあ」と後悔するような仕事をしています。

仕事が気に入らなかったとしたら、選択肢は下の3つしかないと思います。

◆やめる
◆ガマンする
◆事態の改善を試みる(仕事の側を変革させるか、自分の意識を変えるか、その両方をやってみるか)

↑この三択のどれを選ぶにしても、思いを貫けばそれは尊い選択です。立派な、そして後悔の残らない選択をしてください。

 

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