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プリザーブドフラワー関連の仕事(製作・販売・講師etc)


プリザーブドフラワー関連の仕事(製作・販売・講師etc)

プリザーブドフラワー関連の各種仕事

生花ではありませんが、プリザーブドフラワー関連の仕事も、花業界の仕事に含まれます。

プリザーブドフラワー関連で、最も憧れを集める仕事は、やはりプリザーブドフラワー・アーティストです。すばらしい作品を創って、その収入でやっていけたらと思うのは、作製者としては当然の夢です。しかし、この記事では、プリザーブドフラワー創作を収入にする方法は、あまり詳しくは解説しません(オークション出品・委託販売については、少々解説します)。
この記事では、もっと現実的なプリザーブドフラワーの仕事について解説いたします。

 

 

プリザーブドフラワー講師になる

有名アーティストにはなかなかなれなくても、プリザーブドフラワーの個人教室の先生になる道なら、誰にでもチャレンジする機会があります。ただし現在では、これだけで生計を立てるのは難しいと考えてください。世の平均収入に追いつける人は少ないと思います。(つまり、生計を立てていける仕事をやめてプリザーブドフラワー教室を開くのは危険な賭けです)
教室を開くにあたっては、当サイトのこちらのカテゴリ⇒フラワー講師の仕事 が参考になると思いますので、詳しい内容はそちらを御覧下さい。講師の募集・求人についても解説しています。

大まかに言いますと、プリザーブドフラワー講師の仕事で「小遣い稼ぎ程度」を越える収入を得るパターンは、大きく二つに分かれる傾向にあります。

一つは、「地域密着型で、周辺のプリザーブドフラワー人口をうまく集めて成功する」というパターン。
もう一つは、「自分の所属しているプリザーブドフラワーの組織で一定の地位を持ち、少なくともその組織内では有名人となる」というパターンです。

もちろん、ほかにもプリザーブドフラワー教室の先生としてうまくいく方法はあると思いますが、現状では、上の二つの傾向が強い、ということを理解していて損は無いです。

※プリザーブドフラワーの技術をこれから習得しようと考えている方は、下記の情報などを参考に教室を探してみてください

プリザーブドフラワーの資格一覧表
BrushUP学び プリザーブドフラワー
ストアカ プリザーブドフラワー
★人気のフラワーアート! >>> プリザーブドフラワー製作講座
ヒューマンアカデミー


 

 

プリザーブドフラワーを販売するショップの店員になる(既製作品ショップの場合)

出来上がったプリザーブドフラワー商品を売るギフトショップなどの店員になれば、プリザーブドフラワーを売る仕事で収入を得ることができます。
(私見ですが、この仕事は、プリザーブドフラワー製作者を目指す人にとっても良い経験になると思っています。なぜなら、プリザーブドフラワー製作者たちの好む作品・花材と、一般のお客様が喜ぶ作品・花材には、いくらかの隔たりがあるように感じるからです。一般の方を相手にしたショップなら、製作者の憧れや都合と関係ない、お客様の「真の需要」を見られるように思います)

プリザーブドフラワーを扱うショップの店員になるには、「ショップ店員」「販売員」などの求人で探すことができます。
プリザーブドフラワー商品の販売は、雑貨販売に近く、雑貨店やギフトショップに勤めた経験があれば有利です。もちろん、まったくの未経験の求人もあるでしょう。

販売だけなら、プリザーブドフラワーの専門知識が要求されることはまずありませんので、プリザーブドフラワー製作の経験を、採用時に聞かれることもありません。(製作経験のある人が、販売の仕事に就こうとするときには、「作ったことがあるので、知識が豊富です」とアピールするのは良いと思います)

プリザーブドフラワー販売の仕事は、たとえば下のようなサイトなどで探すことができます。

バイトル プリザーブドフラワーショップ

収入的には、ショップ店員の給料は、パート・アルバイトの場合、あまり高くはないです。生活を支える収入にしたいのであれば、正社員の給料をもらえる求人を探す方が安全です。


 

 

プリザーブドフラワー花材メーカーに就職する

花材メーカーに正社員で入るなら、一般の就職活動と同様に、入社試験を受けて入ることになります。日本の代表的なプリザーブドフラワー花材メーカー:大地農園の採用情報ページなど、参考にしてみてください。

大きな会社ならば、社内に部署はいろいろあるので、経理や庶務などに配属されることもあるでしょう。どうしても花材を手に取れる仕事をしたいなら、「自分はプリザーブドフラワー花材そのものに大きな興味を持っている」、ということをアピールしなければならないかもしれません。
「花材に触れない部署は絶対に嫌だ」と思うなら、むしろプリザーブドフラワーショップのアルバイトになった方が本人のためになることもあるかもしれませんので、よく考えて決断しましょう。


 

 

プリザーブドフラワーの扱いの多い生花店に勤める

店の半分ほどが、プリザーブドフラワーの売り場になっている花屋さんもあります。そのような花屋さんに就職すれば、生花もプリザーブドフラワーも一緒に売れます。

ただし、生花店の店頭に出ているプリザーブドフラワー商品は、基本的には「仕入れもの」です。出来上がっているものを仕入れて店で売っているだけなので、店の裏で作っているようなことはまずありません(絶対に無いとは言いませんが)。なので、「いずれはプリザ製作班に」と考えて入るとがっかりすることになります。
花屋さんの求人については、当サイト内のこちらのカテゴリをご参考に→花屋さんになる


 

 

プリザーブドフラワーの製作職人になる

プリザーブドフラワーの仕立ての仕事は、数は少ないですが求人募集で探せます(参考:プリザーブドフラワー アルバイト )。ほとんどが、パートかアルバイトの求人です。

仕立ての仕事は、自分の個性や感性を生かしたアレンジを作れる現場もあれば、完全に「まったく同じものを大量に作っていく」という、工場的な現場もあります。自分なりのセンスを生かしたいと思うなら、それができる職場なのかどうか、事前に確認しましょう。
ただし、工場的なところで働いてみるのも、プリザーブドフラワー製作の経験にはプラスになると思います。ハイスピードで、見本と完全に同一なものを作る作業は、製作スキル向上に役立つでしょう。

勇気のある人は、「この店は、自社で手作りのプリザを売っているようだ」と思えるショップに飛び込みで、「スタッフ募集はしていませんか」と聞いてみるという方法もあります。失敗する確率が高い方法ですが、自分のセンスと響き合うデザインがある店であれば、ダメかもしれなくても、自らスタッフになりたいと申し出てみてはどうでしょうか。

参考……とても重要なこと

プリザーブドフラワーを仕立てて、それを仕事にしようと思うなら、クリエイターであれ、仕立て職人であれ、作業スピードを早くするべきです。プリザーブドフラワー教室の皆さんのスピードは、プロからすると、ほぼ話にならないほどの遅さです。

「私は教室の先生と同じくらい早い」と思って、安心していてはいけません。多くのレッスンプロは、仕立てを仕事にしている人とは比べることもできないほどスピードが遅いです。お教室のスピードと、仕立ての作業スピードは、まったく別物と思ってください。そして、お教室のゆっくりしたスピードが身についてしまった人は、高速作業についていけないことが珍しくありません。
教室スピードは遅いのだ、ということを知り、意識的に早い作業ができるように、日ごろから訓練しておくと良いと思います。特に、花材の下処理のスピードは、人が驚くくらいの高速を目指しましょう。


 

 

個人でプリザーブドフラワー作品を販売する

ケーキ作り好きが高じて、ケーキ屋さんになってしまう人がいるように、プリザーブドフラワー製作を好きでいくつもこなしているうちに、売れるほどになるというケースもあるものです。
本格的にお店を開き、自分だけの商品を並べたり、注文をとったりできたらステキなことです。それで採算を取るのは難しいですが、それを承知で苦労する気があるなら、挑んでいくのも一つの道です。
しかしもっと気楽に、「売れなかったら売れなかったでかまわない」くらいの気持ちでするなら、委託販売ネットオークションか、フリーマーケットの出品をしてみたらどうでしょう。

委託販売

委託販売は、「作品 委託販売」で検索すると、いろいろなサイトがヒットします。ネット上で委託販売してくれるところもありますし、実店舗で販売しているところもあります。
委託については、管理人自身が使ったことが無いので、優良委託先などが案内できなくて申し訳ないです。これから委託販売しようと思われるなら、登録料や、手数料などを、事前によく確認することをおすすめします。

また、いわゆる「委託販売」とは少々異なりますが、喫茶店や美容院などに商品を置かせてもらい、売り上げの何%かを上納するような契約を、独自に結ぶこともできます。営業する勇気の有る方は、飛び込みで交渉してみるのもいいでしょう。
そこまでは難しいと思われる人は、家族親戚・友人知人の中から、作品を置いてもらえそうな場所を持っている人を探してみるのはどうでしょうか。

ネットオークション

ネットオークションは、非常に気軽に出品できます。一番有名なのは、やはりヤフオク!でしょう。出品が未体験の人でも、身近に何人かは経験者がいると思うので、疑問点や使用した感触を人に聞くのも簡単です。
最初から「作家作品の販売」とするのは気が引けると思ったら、まずは、
「個人が趣味で作ったものなので、ノークレーム、ノーリターンでお願いします」
というところから出発してもいいでしょう。また、特に「自作プリザーブドフラワーで商売したい」という人ではなくても、たまってしまってどうしようもない作品群(月に3つも作っていたら、家中プリザーブド作品だらけになります)を、「欲しい人がいるなら……」という気持ちで出品しても良いと思います。

※プリザーブドフラワー作品は壊れ易いので、発送する際の梱包には十分注意しましょう。

フリーマーケット

フリーマーケットは、出店を申し込んで、自分のスペースで当日販売するだけです。遊び半分くらいの気持ちでもできるので、友達と楽しんで出品するのも良いでしょう。
あまり多く売れ残ると落ち込むかもしれませんが、値段を下げることに抵抗が無いなら、最後にタダ同然にして完売させるという手もあります。

個人でプリザーブドフラワー作品を販売する際に、「いつまでたっても、購入者第1号が現れない」のを防ぎたい場合、とりあえず、一般的なプリザーブド商品よりも安い値段帯で売ることをおすすめします。
プリザーブドフラワーは、素人の方からすると、「ちょっと高い」と感じる値段で売っているのが現状です。ということは、すてきな作だと思っても、値段を見てためらっている人がかなりいるのだと思います。その人を、まずはターゲットにしてみるのはどうでしょうか。(安売りしたくない方には勧めません)


 

 

自分で販売店を持つ

フリマや委託やオークションではなく、本格的に自分のショップを作ってしまうことももちろんできます。
しかし、管理人自身にショップ開業の経験がありませんので、これについては解説できません。そこで、ここではネット販売の情報のみ紹介したいと思います。

ネット販売にも方法はいろいろありますが、たとえば私の知人は、【おちゃのこさいさい】 というネットショップ開業サービスを使い、アクセサリーのショップを開いています。運営状況を聞いてみたところ、
「少ない儲けだが、赤字ということはない。たまに、高額ものが売れるととても助かる」
と言っていました。この人の場合は、少なくとも運転資金に持ち出しは無いのです。

「おちゃのこ」のように、ショップを出すお膳立てが出来ているサービスを利用すると、手軽で便利なことは間違い無いです。特に、サービスの月額料金が低いところだと(おちゃのこは月550円~:2021年現在)、実際に金銭的なマイナスは発生し難いです。
ショップにかける手間と時間が報われるかどうか、また、気持ち的にも報われるかどうかの問題になると思います。(ショップ運営を「楽しみ」と捉え、多少の持ち出しはOKとしている人もいます)

もう少し本格的にやりたい人は、カラーミーショップ というサービスがあり、こちらの方が「おちゃのこ」よりも有名です。カラーミーショップは、独自ドメインで運営できます。

もっと本格的に、月額で万単位の投資をしても良いと思うなら、Yahoo!ショッピングに出店することもできます。
更に、「プリザーブドフラワーのネットショップを本業にする」と決心をするなら、楽天市場に出店もできます(副業では出店の許可が出ないと言われています)
楽天市場への出店のご案内

上記のように、「出店作業がパッケージになっているサービス」もありますが、独自にレンタルサーバーを借り、ショップを構築することもできます。最近は、ブログツールなども利用できます。

このように書くと、いかにも簡単にネットショップを開設して、採算を取るのも容易に思われるかもしれませんが、「開設」は容易でも、「売れる」ことは容易ではないと考えてください。何か月たっても、1点も売れない未来は、大いにあり得ると思ってください。


 

そうは言っても、仕事にするなら正社員がいいですよ……

ネットショップの開業のことまで書いてしまいましたが、生計を立てることを考えるのであれば、私は、
「メーカーでも、ショップでも、生花店でもいいので、正社員になれるところで働くのが良いでしょう」
と言いたいです。(長年、職人をやってきた人間の心からの提案です)

求人情報を見てプリザーブドフラワーの仕事を探すなら、現在の状況では求人件数からして少ないので、こまめに、根気良く探すことをおすすめします。

総合的に考えて、プリザーブドフラワーの仕事で高収入を得ることは難しいと思った方が良いです。スクール内では有名な先生や、大きなプリザーブドフラワーコンクールの優勝者でも、プリザーブドの仕事だけで世間一般よりも高収入になれる人はほとんどいないのです。いや、プリザーブドフラワーだけで生活していくことさえ難しいというのが現状でしょう。


 

 

プリザーブドフラワーの仕事の年収を試算してみた

机上の計算ですが、プリザーブドフラワーを仕事にして、どのくらいの年収を得られるかを試算してみようと思います。

1.プリザーブドフラワー講師

こちらの記事→お花の先生の収入を試算してみる で、色々な形態の講師の収入を試算しています。

2.プリザーブドフラワー販売ショップ店員

仮に、時給1,000円のアルバイトだとすると、8時間勤務を月に21日程度した場合、月収=168,000円。年収にすると、2,016,000円です。

3.プリザーブドフラワーメーカーの正社員

その会社の給与が高いか安いかで大きく変わりますが、世の平均の給料をくれる会社なのだとすれば、「サラリーマンの平均年収」は稼げる、ということになります。

4.プリザーブドフラワー製作職人

この職は、ほぼアルバイトです。「2」の販売ショップ店員とほぼ同じ考えで計算してください。

5.作品の販売

作品センス、販売スキルなどで、収入に大きな差が出ますので、試算不可です。特に人より優れたものが無ければ、「年収 0円」に近いと思います。


 

 

【参考】プリザーブドフラワー関連の仕事をするためには、「資格」は必ずしも必要ではない

プリザーブドフラワーを仕事にするに当たって、「資格を取らなければならない」と考える方も多いと思いますが、プリザーブドフラワーの資格は、仕事をするためには必須ということでもありません。
たしかに、カルチャーセンターなどの講師募集に申し込む場合には、ディプロマ・免状の類が無いと難しいですが、この記事で紹介した仕事のうち、多くは資格無しでもできます。

参考までに、このページで紹介した仕事に資格が必要かどうかを、下に一覧にしてみました。

◆プリザーブドフラワー教室の先生……あった方が容易なことが多いが、資格が無くても可能。(ちなみに管理人はプリザーブドの資格は無いですが、年に数回「プリザ講座」を開講します)

◆プリザーブドフラワーを販売するショップの店員……資格無しでOK

◆プリザーブドフラワー花材メーカーの社員……資格無しでOK

◆プリザーブドフラワー仕立て職人……資格無しOKの募集もあり。雇う側が、部品組み立ての仕事と考えている場合には、作成経験さえ不要の場合ありです。(私は、プリザーブドフラワーを個人で納品することがありますが、上記のように資格は持っていません)

◆委託販売……資格無しでOK。資格より、きれいに、魅力的に作れることが重要

◆オークション……資格無しでOK。資格より、きれいに、魅力的に作れることが重要

◆フリーマーケット……資格無しでOK。資格より、きれいに、魅力的に作れることが重要

◆ショップ開設……資格無しでOK。資格より、きれいに、魅力的に作れることと、ショップの集客技術の方が重要

このように、ほとんどが資格は無くても可能なのです。でも、資格を取って、それを使ってうまく営業していけるなら、取って損はありませんし、素人を納得させる道具としては、資格というものはとても分かりやすいです。

 

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