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花屋さんがもらいがちなクレームの例


花屋さんがもらいがちなクレームの例

花屋さんも接客業なので、クレームを受けることはあります。決してクレームが多い業種とも言えませんし、理不尽なクレームは他業種よりも少ないほうかもしれません(いわゆるクレーマーの人には、もっと狙い甲斐のある業種があるのでしょう)。

しかし、花屋は、大きな思い入れのある商品づくりにかかわるので、商品への不満が、
「こんなはずではなかった」
「これでは台無しだ」
という無念の思いにつながりやすい側面を持っています。その思いが、非常に鋭利なクレームになることがあります。

また、同じ不満を言うのでも、厳しく言う人、なかなか許してくれない人はいるもので、接客業者は、厳しいクレームに向かい合う覚悟を全くしないのでは務まりません。

下に挙げるのは、花屋さんが受けやすいクレームの例です。クレームは、時には大きな心のダメージになりますので(それが原因でやめる人もいます)、できれば回避していきたいものです。


 

花屋さんがもらいがちなクレームの例

花屋の側に完全に非がある場合と、実は花屋にも言い分がある場合とに分けてみました。

完全に花屋に非がある場合のクレーム

◆商品がイメージと違う ……花屋のクレームとしては主なものの一つです。「こんな感じで」「こんなイメージで」と依頼して作った花束やアレンジメントが、自分が思っていたものと違う、というクレームです。これは、花屋とお客が別の人間である以上、ある程度は仕方の無いことです。しかし、このイメージの相違がクレームにつながりやすい事実は重く見るべきで、お客さんとイメージの共有をする能力を、花屋は培うべきです

◆不良品だった(本当に不良品だった場合) ……花が傷んでいた、咲かなかった、すぐに枯れてしまった、などです(「本当は不良品では無かった」というケースは下の項にあります)

◆商品が間違っていた ……別の商品を作ってしまった、届けてしまったという場合です

◆接客態度が悪い ……誠実に接客しているつもりでも、お客さんが「態度悪い」と思ったらそれは悪い接客です

◆商品知識が少ない ……花屋のお客さんには、店員よりも知識が豊富な人がよくいます。お客さんが「こんなことも知らないのか」と思ったらクレームになることもあります

本当は花屋にも言い分があるタイプのクレーム……言い分があっても花屋さんは謝りますが

◆商品が小さい(本数が少ない) ……この値段でこの大きさ(または本数)しかないんだ、というクレームです。適正な大きさ・本数でも、このクレームはあります

◆値段が高い ……適正な値段で売っていても、このクレームはあります

◆好きな花が無い ……これは仕方ないと思いますが、実際にあるクレームです

◆配達時間が遅いor早い ……非常識な時間でなくても、お客さんが予想していた時間と違うと怒られることがあります

◆以前の商品や、他の店の商品や、庭の花と比べて「よくない」と言われる ……前に来た時にはもっと安かった、他の店には、もっと別の色があった、うちの庭に咲いている花の方が立派なのに〇〇円もするの? などのクレームです。商品の値段やラインナップはその時の仕入れによるので、別の条件の花と比べることは本当はできないのですが、「もっと仕入れを頑張れよ」というメッセージだと思って「すみません」と応えます



お客さんの勘違いによるクレーム

花屋さんに落ち度はなく、お客さんの側の勘違いでクレームを言われることもまれにあります。説明すればほとんどの方が分かってくれるのですが、なぜか正確なところをお伝えしても納得してくれない方もいます(引っ込みがつかなくなるのでしょうか?)。

◆商品や商品の扱いを「良くない」と思い込んだクレーム ……「葉っぱが茶色くなっている(→そういう葉っぱなんです)」、「花が開いてしまっている(→その花は開いた状態で入荷するんです)」、「店員がつぼみから花を無理やり引っ張り出していた(→ストレチアはそうやって花弁を出すんです)」、と、いうようなクレームです

◆季節違いの注文でクレームに……季節的に絶対に入らないものを求められて、店内には無いし、今注文しても入らない、と説明しても、「なぜ入らない」という人は言います



確信犯的クレーマーは、どこにでもいる

花屋は、確信犯的クレーマーが、好んで寄ってくる業種ではないとは思います。しかし、クレームを言いたいことが目的でクレームを言う人に、花屋さんもいつか出会います。
このタイプのクレームは、何回か受けると「やりたくてやっているんだな」ということがわかってきます。
言いがかりレベルのクレーマーだと(こちらの業務に落ち度が無いことが明白だと)、逆にもらう側のストレスは小さいものです。冷静に対応しましょう。


クレーム対応の上手い人は……

クレームの対処法は、書籍やネットのビジネス系指南サイトにいくらでも情報があります。花屋のクレーム対応も、それらを参考にできます。
花屋ならではのクレーム対応というものは、私が見てきた限りではありません。
よく言われるように、「相手の言うことに耳を傾け、何が相手を不快にさせたのかを探る」という正攻法が解決への早道のように思います。

また、「クレーム対応のうまい人は、かなり先天的なものが大きい」とも思います。クレーム対応の上手い人は、クレーマー気質のある人だという説がありますが、私も「確かにそうだ」と感じたことが何度もあります。しかし、後天的にうまくなることも不可能ではなく、先天的にうまい人をよく見ていると上達します。
つまり、先天的なセンスに恵まれなかった人は、手本が必要なのです。最初は、お手本になる人の言い回しなど、そのまま真似してみましょう。

参考:管理人が心がけていること

管理人自身が心がけていることは、

◆個人攻撃されているつもりになって、余計なダメージを受けないこと
◆相手のペースに流されないこと
◆主導権を相手にすべて渡してしまわないこと

↑などです。管理人は、クレーム対応の先天的才能は残念ながらありませんでした。長年接客業をやって(テレオペレーターのバイトをしてクレーム処理の経験を積もうとしたこともあります)徐々にわかってきたことは、どうやらクレーマーの人は、「クレーム処理能力が先天的に無い人」を見抜きます。見抜いて、自分の得意な戦法に、こちらを誘い込んでいきます。この誘いに、ついて行かないためには、冷静な自分を確保することです。


お客様と良好な関係を築こう

良好な関係のお客様からは、トラブルになるようなクレームは出にくいものです。おなじみになっているお客さん、こちらのスキルを認めてくれているお客さん、信頼してくれているお客さん、このようなお客さんが多いほど、クレームは穏やかになります。

これは、何度も来てくれているお客さんだけではなく、一見さんにも言えることで、接客がうまい店員の対応からは、ヘビーなクレームは生まれにくいものです。
お客さんは、見事な接客をする店員には、ずいぶんいろいろなことを許してくれます。つまり、こちらの落ち度は(落ち度でない場合もありますが)、すべてクレームになるわけではなく、「落ち度にまつわる何かにカチンときた」ときにクレームになるのだ、と思いましょう。

 

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