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花の先生の廃業理由


花の先生の廃業理由

花の先生が、先生業をやめる理由

花の先生が、仕事をやめる(ここでは、「仕事をやめる=教室を閉める」こととします)理由にはどんなものがあるのか、あげてみようと思います。

下に挙げるものは、すべて管理人が実際に見聞きした理由です。特に珍しい理由はなく、いずれもかなり現実的な理由です。

 

【実例】花の先生の廃業理由

◆高齢のため

この理由が一番多いと感じるので、一番初めにあげました。
花の先生は、本人が元気なら80代でも90代でも続けられるので、一般的な定年の年である60歳くらいでやめる人は少ないです。


 

◆健康上の理由

上の項に近いものがあります。
理由は、病気やけがなどいろいろありますが、一昔前までは、いけばなの稽古場は和室が多く、足腰を傷めて「畳に座れない」という理由で廃業する人もいました。


 

◆家族が理由

これは、いろいろな理由があります。例えば、

◆家族のために労力を注ぐことになり(介護や、自営業の手伝い、子育てなど)、時間と体力を教室に費やすることができなくなった
◆家族に仕事を禁じられた
◆家族に花の教室を反対された

などです。
上の「花の教室を反対される」には、「近所の人相手に小金を稼ぐなどみっともない」という場合と、「遊んでいないでちゃんと働け」という場合があります。(どちらも偏見だと思います)


 

◆引っ越し

引っ越しで、教室を手放すことになると、「引っ越し先で新たに開講しよう」と思えなくなることがあります。
旧住所での教室がうまくいっていた人は、逆にダメージが大きいです。せっかくの教室を、自分の落ち度でないことで閉講させるのは無念なことだからです。
苦労して教室を大きくした人ほど、無念な気持ちも大きくなるのでしょう。


 

◆結婚

結婚して会社を辞める人がいるように、結婚して花の教室を閉める先生もいます。


 

◆時間が無くなった

花の教室に専従しているわけではない人は、花よりも大事なもののために時間を使うようになったら教室を続けられなくなることもあります。
例えば、本業が忙しくなったり、家族のために使う時間が増えるようなときです。


 

◆生徒がいなくなった

お店で言うと、「お客さんが来なくなったから閉める」という状態です。
自宅教室の場合、特に廃業しなくても、生徒募集は続けることができますが、外部に場所を借りていると、赤字がかさむばかりなので続行が難しくなります。

自宅教室でも、その先生の年齢や健康状態によっては廃業のきっかけになります。
年齢・健康に問題が無くても、「また一から苦労するのは無理だ」という思いが大きければ閉める決断をする先生もいます。


 

◆赤字になった

有料の場所を借りて教室を開いている場合、生徒数が少ないと簡単に赤字に転落します。
持ちこたえられない赤字が出れば、廃業はやむを得ないです。
(赤字のまま教室運営を続行する先生もいます。しかも、結構いるはずです)


 

◆(会社や学校の)華道部が無くなった

依頼された出稽古のみの先生は、出稽古先の教室が無くなったら仕事が無くなります。
(もちろん、出稽古先が無くなったのを機に自宅稽古を始める先生もいますが)


 

◆教室に納品していた花屋が廃業した

花屋と花の先生は二人三脚のようなところがあり、あまりにも長年一緒に教室を支えてくれた花屋が廃業すると、別の花屋に乗り換えて続けようという気持ちにならない先生もいます。

若くて元気な先生がこの理由でやめることはあまりなく、年齢や健康上の理由もある先生が、花屋の廃業を機に教室を閉める決断に至るケースが多いです。


 

◆教室にしていた場所が無くなった

教室の場所が確保できなくなったら、新しい場所を探すか、探すのをあきらめて教室を閉めるか、どちらかです。
場所が無くなる理由は色々考えられます。

◆借し教室を借りていたが、その建物が取り壊される
◆もともと無理を言って借りていた場所の、無理がきかなくなる
◆貸しスペースの規定が変わり、貸してもらえなくなる
◆自宅が立ち退きの対象になり、新居には教室のスペースが取れない

あらかじめ、場所の確保ができなくなるのではないかと思える要因があったら、別の候補地を探すしておくのが良いですが、おそらく(特に都会では)、「今と同じ広さで、今と同じ料金」の場所を探すのは難しいです。
新しい場所を開拓するのは、時間も気力も必要なので、それを注ぎ込めないと思う先生には、廃業のきっかけになります。


 

◆疲れた、情熱が無くなった

花の教室の運営に疲れてしまって、花そのものにも情熱を感じられなくなったら、だれも苦労して続けようとは思わないです。よほど生徒さんたちに引き止められなければ(あるいは、生徒さんに対する責任感に引き止められなければ)、花の教室など、簡単にたたんでしまえます。


 

◆母体組織(スクールや流派)から脱退した

資格の申請ができる先生は、スクールや流派に登録しているものです。この登録を、継続するのをやめると、技術は教えることができても、生徒さんに資格を出すことができなくなります。
母体組織への登録は、ほとんどの組織で「年会費を払う」という方法で継続されます。この継続をやめてしまうことが、教室を閉めるきっかけになることがあります。

登録を継続しなくなる理由として考えられるのは、

◆年会費を高いと思うようになった。または、突然に年会費が高額になった
◆登録の継続手続きが面倒な方向に改定になった
◆組織に居づらいような何かをしてしまった

などです。

 

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